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それいいね!
memu3年前最近Kakenee始めた人は感想募集中のタグ知らなかったりするのでは?と置いてみる。タグから検索して概要書いてる人の読んでみてね。にしめ3年前Twitterで 「#自分の絵柄の特徴あげてもらってそれを全部封印した絵を描く」 というのが流れてきて、これ文章でやってみてえ~!!と思いました。とても練習かつ頭の体操になりそう。特徴を教えてくれる人が現れるのかはわかりませんけども……
(しかも文章、文体の特徴ってことだもんな?絵よりも指摘が難しいような気もする)
文体封印というにはお粗末なんですが、敬体で書いたことないな~と思い書いてみました。敬体にすると言葉づかいも動作や状況の分解の仕方も変わる気がして、お、おもしろい……。
内容はツリーとは関係ない話ですが、登場人物やカップリングは同じです。
1,800字ぐらい





 ぐるる、とお腹にひびく低い音は、からだの中から聞こえてくるようでした。海底に埋もれた宝物を探すように抱えたギターを鳴らし続けていた勇人くんは、あらがえない浮力に導かれるようにして、ひとつまばたきをしました。まなうらに描いていた深い闇は一転、蛍光灯がまぶしく光る、見慣れたリビングルームへと姿を変えます。渦を巻くような音の中に沈んでいたので、静けさがより際立って鼓膜を打つようでした。
 まだ心臓がどきどきしています。うずくまるようにギターを抱えてかき鳴らしていただけだというのに、勇人くんはまるでほんとうに海底に潜っていたように息が上がっていました。曲作りとは、頭だけでなく体力もすりへるものなのです。
 勇人くんは音楽がだいすきです。何時間でも音の世界にのめり込んでしまいます。でも、限界はありました。 
 はらへった、と心の中でつぶやくと、勇人くんはゆっくりと首を起こしました。がらんとした部屋のなかには誰もいません。この家のあるじ、圭吾くんの気配はずっと感じていたはずでしたが、いざ見渡すと勇人くんが背もたれにしていたソファーに文庫本がひとつ置かれているだけでした。きちんとしおりが挟まれているのは慎くんから借りた本だからかもしれませんし、長い時間席を外すつもりだったからかもしれません。勇人くんにはわかりませんでしたが、またぐるる、とおなかが鳴ったので、とりあえず食べるものを求めて立ち上がりました。
 すると、どうでしょう。ダイニングテーブルの上にはこじゃれた箱が広げられていました。ほのかにあまい香りもします。八等分に仕切られた箱のそれぞれには、薄紙に守られるようにしてきれいなかたちのチョコレートが並んでいました。
 チョコと言うと圭吾くんはおこりますが、勇人くんはおいしいのだから名前にこだわる必要はないと思っています。食べる順番だってそうです。右から二番目だけが空いている小さな区画たちの、いちばん近いところに手を伸ばしました。
 ちょうどその時です。
「あっ、こら!」
 猫の盗み食いに居合わせたような言い方で、背後から声が飛んできました。ふりかえると、グレーのスウェットに身を包んだ圭吾くんがぱたぱたとスリッパを鳴らしてかけよってきます。赤らんだほっぺたに、シャンプーのにおいがふわりと漂って、お風呂から出てきたのだとわかりました。垂れた目尻を厳しくつり上げていたのはほんのわずかな瞬間だけで、あきれたように、もしくは安心したようにふうっと息を吐き出すと、圭吾くんの表情はみるみるやわらいでいきました。
「集中してたな。腹へっただろ」
 そしてチョコの箱を手にとると、どれが食べたいのかと尋ねてきます。適当に指をさすと、「それはオレが食うから、こっちな」と、勇人くんの指がよごれるのを嫌ってか、しろくてながい指先が隣のひとつぶをつまみ上げました。 口に近づけられたのでぱかりと開くと、遠慮なくチョコレートが押し込まれました。
 今までにたくさんのつまみ食いを重ねてきた勇人くんのことです。圭吾くんのように饒舌な品評を並べられなくとも、舌の上でとろける甘さは今までに味わったことのないものだとすぐにわかりました。目をみはる勇人くんを前に、うまいだろ、と言いたげな圭吾くんの視線も満足げです。
「もうひとつ食べるか?」と言いながら戻っていく指の先に溶けたのこりがついていることをめざとく見つけた勇人くんは、圭吾くんの手首を捕まえると、ぺろり、とその指先を舐めとりました。わずかな量でも、じんわりと余韻がからだをひたしていきます。
「ぎゃっ」
「うめえ」
 思わず口にして圭吾くんの方を見ると、お風呂上がりよりも肌を真っ赤に染めて、ぽかんと固まってしまっていました。うるうると揺れる瞳に誘われて、なんとなくくちびるを寄せました。歯を磨いたばかりの圭吾くんのくちびるは、ミントのさわやかな香りがして甘くはありません。しかしどうしてか空っぽのお腹にたまっていくような心地がします。
「……そんなに腹減ってんならなんかつくるけど」
「別にいい、腹いっぱいになった。サンキュ」
「……あ、そう……あんま根詰めるなよ」
「おー」
 うわのそらで返事をする勇人くんの耳には、海底を照らす光のように音がそそぎ込んできます。まぶしくてまっすぐで、きっとうもれた宝物のことも照らしてくれるでしょう。
 勇人くんはギターを抱えてリビングルームの定位置に座りなおしました。うしろではソファーに深く沈んだ圭吾くんが文庫本をひらいたところです。夜はこれから、静かに更けていきます。
おお〜😲
111strokes1113年前ワンドロワンライ参加してきた。水曜にお題発表があったので昨日図書館行ってお題の解像度を高めるべく「砂糖の文化史」「砂糖の歴史」を借りました。

タイピング自体は本当に1時間ちょいなのですがこういう資料を読むと言う手間がかかっています。資料がないと短編ですらフリーズですよ……。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16099673#1おめでとう!
111strokes1113年前ワンライ参加してきました!原稿に追い詰められていなければそれまで書いた作品のスピンオフではない話が思いつくもんなのね。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16003463ぷーさん3年前書いたり消したりしてたけど、雰囲気は気に入ったものが書けたので見てもらえると嬉しいですhttps://privatter.net/p/7259476これ好き! 好きすぎる!111strokes1113年前まだ同人誌用の書き下ろしが終わってないけど5月から夏休み4週間挟んで予定通り9月上旬に書き終わった!17万8千文字!読了目安6時間弱!多分長すぎて同カプ担は誰も読まないし同カプ担から全く感想もらえないはずです!https://www.pixiv.net/novel/series/7292454いや、十分すごいよ!今日も世界は回ってる3年前下記のお題をお借りしました!

・元恋人
・指でなぞる
・負けず嫌い

いつもありがとうございます。
推し誕一週間前なのに……当日は幸せな2人を書く!
https://poipiku.com/966177/5192803.html
kattan3年前9月のお題参加! 「指でなぞる」より
WTの弧月師弟。BL要素ありご注意。
普段生息している垢では全く書かない好きなジャンルをここでは書けて楽しい。
このひとのかたちをなぞりたい。
 俺にはふいにそんな欲求が現れることがある。いや、現れるっていうか、湧いてくるっていうか。いや、あふれてくるっていうのかな。
 なぞりたい。たどりたい。それを俺が再現したい。他の誰にもさせたくない。俺がしたい。絶対にしたい。俺だけに許してほしい。


 このひとには明確なかたちがあるんだと思う。
 強くて、大人で、逞しい、頼もしい。俺たちのてっぺんに立って、最善の指揮を執る。ボーダーの本部長。
 何も肩書きがすごいからってわけじゃなくて、このひとは本当にすごいんだ。全体の状況を俯瞰して、的確に指示を出す。でも、現場で動く人間の直感とか判断が大事だってことも身をもって知ってるから、指示は出すが自分の判断でも動けなんていう指示を出すこともある。責任は俺がとるって、普通の人間にはおいそれと口に出せない言葉だよな。
 このひとの、明確なかたち。
 強くて、周りから尊敬とか信頼とかを集め放題に集めてて、やっぱり現場からの支持がいちばん高い。派閥のあれこれで全員から好意好感をもらってるわけじゃないだろうけど、それでも信頼は強い。だって、信頼できない人間なんかに命預けられるかよ。や、戦闘のときはトリオン体だからよっぽどのことがなきゃ死んだりはしないけど。でも、やっぱり俺たちは命を預けてるんだよ、このひとに。
 本部長で、ノーマルトリガー最強の男、なんて呼ばれてて。今はめったに現場なんて出ることないけど、一度出ればどんな敵にだって絶対に怯みもしないし、絶対に負けたりしない。なのにその時々が、俺のいないところばっかりで起こるんだから世の中は不公平だ。本気で戦う忍田さん、訓練のときだってもちろん真剣そのものだけど、やっぱり敵を前にしたときは、なんていうか、気迫が違う。俺が弟子になったばっかりの頃は一緒に現場に出ることもあったから、俺はいつまでもあの忍田さんを覚えてる。忘れられない。
 出会ったときからずっと俺の憧れで、目標で、だけどずっと敵わないまま。いつかは一本、誰にも文句言わせないくらいに鮮やかに取ってやるのが目標だけど、師匠であるこの人に言わせると一本程度じゃ駄目だ、ちゃんと勝ち越せるようになれって。勝ち誇った目で言うんだから嫌なひとだよ。
 や、大好きなんだけど。
 でも、そういう顔してみせるのは、負けず嫌いの俺がその方が闘志燃やすだろうからって思ってるからだ。『ぜってーいつか倒してやる!』っていうのは初めてこてんぱんにのされたときの俺の台詞で、忍田さんはそれを面白そうな顔して聞いて、それから『十年早い』って笑ったんだ。でも、なんでだかそのときの俺は、ああきっと俺はこのひととその十年を一緒に過ごすんだろうなって、そんな関係ないことを考えて、確信した。だって、どうせ一緒にいるなら強いひとがいい。俺はとにかく強くなりたくて、誰にも負けたくない。負けたくないからには強くならなきゃならなくて、だったら強いひとのそばにいていろんなことを盗めばいい。こうやって打ち合うだけでも学ぶことはたくさんあるんだ。打ち合ったところで全部いっぺんに吸収できるわけじゃないけど。でも、やっぱり俺の中の糧にはなる。何よりいちばん、俺の心が負けたくないって訴えるから。刺激は強い方がいい。
 結局俺はこのひとの弟子になることになって、全部全部盗んで奪ってやろうと思ってたのに。「最強の男」なんていう呼ばれ方すら俺のものにしようと思ってたのに。今でも奪い取れないどころか、俺の気持ちっていう全然別のものを奪っていってしまった。罪なひとだけど、本人に全く自覚がないから困るんだ。
 でも、弟子として懐に入れてもらうようになって、このひとの別のかたちも見えてきた。別に隠してるわけじゃないだろうけど、このひとが他には見せないかたちっていうのがある。外に見せるのとは違うかたちが、このひとにはあるんだ。
 案外、だらしないところがある。忙しさに負けて家の中は荒れたままなんていうのも結構あって、俺には隊室ちゃんと片付けろっていうくせに、自分の部屋は雑然としてるなんていうのもしょっちゅう。お前のところの混沌具合と一緒にするなって言うけど、いや、あれは結構なもんでしょ。
 自分でつくる割には料理は大雑把。いや、無頓着? 体が資本なんだから成長期の子どもはたくさん食べろって言うわりに、お互いの好物ばっかりで埋め尽くされる忍田さんの家のテーブルに俺はいっつもにやにやしてた。俺はわりとなんでも食べる方だと思うけど、好物頬張ってるときの俺の顔が好きなんだ、きっと。にこにこ微笑ましい顔で俺を眺めてる忍田さんの顔、俺の方だってこっそり眺めてるんだからな。
 酒には弱くて、すぐに真っ赤になって舟漕ぎ出すし。ボーダー最強の男が幹部最弱レベルってどういうことだよって、俺はそういう情けないところも好きだったりする。師弟揃って酒に弱いなんてなって林藤さんにはからかわれるけど、林藤さんと比べたらたいていの人間は弱いに分類されてしまう。そんなとこまで師匠の真似しなくていいんだぞって、何気に隊服のこと弄るのはやめてほしいんだけど。でも、同じだとか似てるとか言われるのは、うん、悪くない。このひとのかたちをなぞれてるって思えるから。
 このひとの、かたち。
 みんな、誰でも知ってるかたちももちろんだけど、それ以外の、俺だけが知ってるかたち。それを俺はなぞりたい。なぞって、もっと理解して、なぞり尽くして、俺のものにしてしまいたい。これから先もずっと俺だけが知ってるものとして。
 お前は俺の弟子なんだから好きに盗めばいいって、差し出してくれる以上のこのひとのすべてをなぞり尽くしたい。
「ねえ、忍田さん」
 なんだ、慶、って。俺にだけ見せる気安さとぞんざいさと、優しさと、あまさ。腕つかんでも振り払わないどころか耳傾けるために俺に寄せてくれる体、その全部をなぞりたい。ついと掴んだ腕をそのまま指で撫で上げたらどんな反応するだろう? どんな顔をするだろう? 驚く? 怒る? でも、不思議と嫌がって強張る顔は想像できないんだ。何ふざけてるんだって呆れ交じりに叱る顔は浮かぶけど。でも、もしかしたら、もっと違う反応だって見せてくれるかもしれない。俺がいつも素を見せてくれるこのひとにどきどきしてるみたいに、俺のことだってそう思ってくれるかもしれない。いや、まだ早いのかな。もっとこのひと近付けたら。もっとこのひとをなぞりきって、なぞるだけじゃなくて越えられるようになったら。
 本当に、この指先で。
 あなたをなぞり尽くしてもいいですか。
✱✱✱✱✱3年前せっかく書いたからリンク張ろうかな!って思ったけど、pixivとかに投げるより勇気がいるな…と思って…ひたすらに…寝た…(このアイコンみたいな感じで)。後半も読んでやってもいいぜっ☆という方がおられましたらどうぞ!前半はツリーから。https://notes.underxheaven.com/preview/bb8a326ccfb037ada8d6fe210532f8fcありがとう、これで今日も生きていけるmemu3年前良かったらお願いします〜。privatterのリンクがツイートのツリーに続いてます。
テンプレのコメントだけでもポチッとしてくれたら、後日談書くための糧になります。
https://twitter.com/memu666mu/status/1406101756795256836?s=19memuさんのやる気に変化が起きました!
にしめ3年前【お題:舐めとる・ほだされる 】遅刻申し訳ありません。起きてるうちは今日、のもったいない精神で駆け込み投稿させてください。お題ありがとうございます。
8月なので!アイスです!

【二次創作BL・ジャンル】
ド!の勇圭です。
二人組アイドルをやっている男子高校生の二次創作BL、と認識していただければ充分読めると思います。(そして今回のはアイドル要素の薄い話です)

【感想募集中】
どんな内容でもとても嬉しいですが、
もしも【描写や説明がくどくないか、長い/冗長に感じていないか】という観点でなにかあれば言及してくださるとありがたいです。
内容の割に文字数が嵩んでいるのでは……?、と悩むことが多く、気になっているので、ご意見頂けたら嬉しいなあと。
募集するか悩んだんですが、せっかくなので置いてみます!反応0には慣れてる。

お手柔らかにどうぞ、よろしくお願いいたします。
迂闊に溶ける
(1600字程度)





 職員室で涼んだ身体は、数分も経たないうちに二人揃って汗だくに戻っていた。こんなことなら教室でよかった、とわずかに後悔を抱えつつ炎天下に晒された屋上へ、果敢に踏み出す。
 扉の裏手に回ると、そこには期待どおりの日陰ができていた。風が吹けばいくらか涼し気なその場所に逃げ込むと、勇人は座るのもそこそこに水滴まみれの透明なパッケージをさっさと破く。取り出した淡い黄色のアイスキャンディーは既に表面が溶けはじめていた。この暑さなら当然か。
 頓着せずにかぶりつくと棒の先端が歯に当たった。こんな細っこい一本で得られる涼なんてたかが知れているとはいえ、肩透かしを食らった気分だ。生え際から首筋へ流れる汗は止まらない。氷の欠片を噛み砕いていると、間延びした口調が隣から聞こえた。
「ヤマセンいいやつだな」
 見れば、圭吾はまっぷたつに裂かれた小袋から取り出した棒アイスを見つめていた。早く食えばいいのに。
「誰だよ」
「ヤマダ先生だよ、アイスくれただろ」
 彼はつまんだ棒をゆるく振って赤紫色のそれを主張した。先っぽを口に含む傍らで勇人は内心舌打ちをする。炎天下のプール掃除なんて補講というよりもむしろペナルティだ。それをたかだかアイスひとつ――しかも、一箱数百円の、霜だらけのアソートボックスの一本程度でほだされやがって。
 ちょろいとか、そういうのを通り越していっそ心配になってくる。
「なんだよその顔。単位もアイスもくれたんだからいいだろ」
 さっきまでやかましいほど文句を垂れていたくせに。たしなめる言い方にカチンとくるが、暑さのせいで苛立っている自覚はあるので押し黙る。
「時々ウサギにキャベツあげてるらしいよ」
「そうかよ」
 それなら悪い人ではない。あっさりと考えを翻して勇人はアイスの残りをすべて口に収めた。ばりばりと咀嚼する勇人とは対照的に、圭吾は溶けかけた表面をのんびりと舐めとっている。滴の落ちてしまいそうな根元を軽く吸い、舌を這わせて舐め上げていく。ラーメンは一瞬で平らげるくせに、その機敏さはここでは発揮されそうにもなかった。悠長な食べ方を横目で見守っていると、案の定。
「うわ、っと」
 落胆の声と同時に、圭吾の親指に溶けたアイスが垂れた。赤紫の液体が汗に混ざって腕の表面を滑り落ちていく。
「あ、うわ」
 慌てて吸いついて、と思えば次の滴は中指に落ちて手の甲へと伝う。傾いた勢いでシャツの袖にも一点のシミがとぶ。慌てながら自分の腕にあちこちくちづけているのがおかしくて、勇人は思わず吹き出してしまった。
「勇人!」
「へたくそ」
「なんだと、あ、こら!」
 それでいて情けない非難の声にじわりと悪戯心が掻き立てられてしまった。隙だらけの腕を引き寄せて、べとつくところを舌で辿る。ひじの裏から、手のひらまで。
「んっ、」
 圭吾の息が鼻から抜ける。短く漏れた声が、唐突に二人の間の空気を甘ったるく塗り替えたような気がした。視線がぶつかる。その間にも流線型を帯びたアイスはゆっくりと着実に溶けていく。
「食っていいか」
 ほとんど本能的に言葉だけがまろび出た。そして何を、と自問する。視線の先でみどり色の瞳が丸くなって、すぐにとろける。
「……勇人は食い意地が張ってるな……」
 圭吾はほだされてやるよ、とでも言いたげに肩の力を抜いた。掴んだままの勇人の手ごと、アイスが口先まで誘導される。ひとくちで食べてしまうと「ちゃんと味わえよ」と小言がとんだ。舌に残る新しい味はさっきよりも甘い。
濃くて、甘くて、呑み込むとどうしてか渇く。
「満足したか?」
 圭吾は甘い汁がついたままの手を引っ込めず、勇人の眼前に晒したままで首を傾げた。足りないならどうぞ、という意味なんだろうか──足りないって、何を。あんまりなほど無防備に自分を差し出す恋人を前にして、茹だる頭はもうそれを正確に理解できてしまっていた。
 圭吾の首筋に汗が一筋絡みつく。掬いとろうと指先が動く。
頼む、続きが読みたい!
ぷーさん3年前二次創作の片想いホモってこんな感じでいいんてすか!?
な試作品です。
甘酸っぱさ、が出てるのかどうか解らなくて自信がない
遺跡探索に駆り出されていたバラカが飛空艇に戻る頃にはとっぷりと夜も更けており、談話室では酒呑みたちが今夜も気持ちよく発泡水ののどこしを酩酊していた。
「バラカ、戻ったか」
その環の中に昨日までは見なかった顔が一人増えていると呼ばれてバラカは気がついた。
「し、師匠……っ!」
思わず身構えながらも挨拶をしないわけにもいかないだろうとラドゥリのそばまで歩いていく、疲れていると言った顔色ではないが妙に緊張している面持ちのバラカにその場に居た仲間たちは目を丸くした。
「しばらくはこの飛空艇で世話になる。まさかお前も居るとは思っていなかったが……」
同じ船に乗った者同士一杯飲もうと差し出された炭酸水を遠慮がちに受け取るバラカの笑顔は引きつっているようにも見える。酔っ払いの男たちとは違って酌をしたりつまみを運んだり、と世話に追われるセフェルだけはバラカの表情を見逃していなかった。
何よりセフェルから見たバラカは社交性を敢えて見せない男という認識がある。いつも周りが盛り上がっていても一歩引いた場所からそれを眺めているといった印象だ。
暗殺者であるがゆえに前後不覚を取るような行動を無意識に避けているのだろうと言う推測はすぐに出来たが、だからこそ父親のようにやや強引に社交の輪に引き入れようとしてくるラドゥリが苦手なのかも知れない。あまりにも困るようであれば助け舟の一つぐらいだしておこうと、この飛空船の執事として考えていた。
だが、バラカ自身は苦笑いをしながらもラドゥリからの好意自体は受け入れているようで、よくよく話に付き合っていた。
「……では、師匠……今日はこの辺で。あまりグレン殿に飲ませすぎないでくださいね。この船の唯一の飛行士ですから」
炭酸水の瓶を軽く四本は空にして顔色一つ変えないバラカは頃合いを見計らって立ち上がると、深々と礼をしておかわりはと問いかけるダンカンに疲れてますからと穏やかに微笑んで談話室を後にする。その後ろ姿を見ていたラドゥリは妙な違和感を覚えていた。
「バラカの奴……落ち着きが出てきたか?」
首をひねりながらそう呟くラドゥリの前にグレンが新しい炭酸水の瓶を開けて置く、エストリスの名産ドラゴンの怒りが大量に手に入ったのだと幸せそうに笑う男の顔にラドゥリも思わずつられて笑った。
中年オヤジ達の酒盛りはまだまだ続くのだった。
そんな賑やかな談話室を離れて充てがわれた部屋に出来る限り音を立てずに入ると、二つ並んだベッドの片方には既にこんもりと誰かが寝ていると解る盛り上がりが出来ている。脱ぎ散らかされた服に靴、まるでだらしない子供の部屋のような惨状に思わずバラカは苦笑いしながら床に散らばったそれらを片付けた。
今日は朝からその顔を見ずに遺跡探索へと駆り出されてしまっていたから、と寝顔を覗き込めばあどけなさに安心する。癒やされると言っても過言ではないほど、バラカは彼の寝顔を眺める時間を大切に思っている。
「お前が俺と同い年なんて……今も信じがたい。なぁ、ゼオン?」
自分と同じ年齢だと聞いた時には耳を疑ったが、育ちを考えれば仕方の無い事なのか
もしれないとも思える。実の弟より手の掛かる弟のような、親愛と友愛が混じったバラカの微笑みは今日一日の全ての疲れを忘れてしまったと言わんばかりだった。
「……ん……か、あ……さ……っ……」
ふと眠るゼオンを見つめていたバラカが彼の寝言に耳を傾けると苦しげに誰かを呼んでいる。断片的にしかゼオンの過去を聞いてはいないが、懸命に呼んでいるのは母親と妹の名前だろうか。
不意に伸ばされたゼオンの手を両手で包み込み類を擦り寄せる。少しでも夢の中のゼオンが安心出来るように温もりを伝えようと寄り添った。
「……し、しょ……」
最後に呼んだ名前の後に再び安らかな寝息が聞こえてきた。
落ち着いたのだという安堵と共に訪れる胸に何かがつっかえた様なモヤモヤとした気持ちがわだかまる。時折心臓をチクチク刺す何かが訪れては消えていった。
「師匠?誰だ、そいつは」
夢の中でゼオンを安心させたのが自分ではない事実を突きつけられたようで、バラカは腹の底で何かが渦巻いているのを感じた。
「……いや、待て。何だこれは……なんだと言うんだ?」
突如として自分を苛む感情に自身でも驚き戸惑ってしまう。よろける様にしてゼオンから離れたバラカは自分の胸に手を当てて、妙に上がった心拍数に首を傾げた。
「つ、疲れているに違いない。そうだ、疲れている……疲れているんだ」
首を振りながら自分の奥底に積もっていた感情に蓋をして、バラカはシャワーを浴びるのもやめて布団を頭から被った。
ゼオンの言葉を反芻する度に冴える頭が容易に寝かせてはくれないと知りながら寝たフリに徹するのだった。
ぐはっ😍
きゅ〜3年前思い切ってタグお借りします……!
一次創作というか詩みたいなもんです。夜に読むのが良さそうな短いものを持ってきました。
いつもこういう抽象的な文章をつらつらと書いてしまうので、どう読まれているのか知りたいです。
意味分からーん!とか、芸術点たかーい!とか、何でも良いです。もちろん、テンプレの応援ぽちりでもありがたいです。
寝込んでたら感想きてた……ゆ、夢……???
めちゃくちゃありがたすぎる……震えるほどうれしい……

以下、ちょっとした語りなど。
この作品のイメージとしては、ハ○ルとカル○ファーの契約のシーンです。映画の。
内容そのままではないですが、ああいう光と闇が美しい映像を文章で表現してみたいな〜と思った習作です。
あと、手の平とか小さな雫とか狭い視点から始めて、最後に大きな夜空を映すことで世界がばっと広がって、そのコントラストでなんか気持ち良い読後感に繋がるんじゃないかなと……緊張と緩和みたいな。
あんまり語ると野暮かもしれないけどここならいいよね。
ぐはっ😍
甘栗モンブラン3年前着地点を失ってずっと放置されているやつ。どうしようもないので供養。たぶんこの場面の前段にあたる断片が発掘されたので供養。これを読んでから上にもどるとすこし見え方が違ってくるかもしれない。なんにせよ話はあまり展開しないです。当時の自分はどう着地させるつもりでいたんだろう。


***


 乗り込んだ車内の空気には、甘い煙のにおいがまじっていた。そのにおいで電車に乗る前に煙草を吸えなかったことを思い出してしまい、そうなると無性に吸いたくなってポケットをたたく。たたいたことで余計に潰れたかもしれないソフトパッケージをひっぱり出すと、横あいからぴしゃりと冷たい声がとんできた。「禁煙」
「じゃあ、これは」
 ダッシュボードに据えてある灰皿と、たっぷり長さの残った贅沢な吸殻を指摘する。僕とは違う銘柄。吸い口が茶色いそれを彼女が咥えているところを想像してみるが、あまりうまくいかなかった。彼女が煙草を吸わないことを、僕はよく知っている。
 彼女は視線だけで灰皿を見やると、面白くなさそうに鼻を鳴らしてからキィをひねった。軽快なエンジン音と振動。僕がシートベルトを締めるのを確認してから、彼女は視線を前方に戻した。
「それ以外は、禁煙」
「これだったら吸っていいんだ」
 すると彼女は眉間にしわを寄せて、横眼でじろりとこちらをにらみつけた。
「そんなに吸いたい?」
「どうだろう」
 吸いたいかそうでないかならもちろん吸いたいし、どうせ吸うなら吸いつけたものがいいけれど、僕は意味もなくやせ我慢をして曖昧に笑ってみせる。嫌煙家で通っている彼女の車で喫煙を許される人間が存在することに、純粋な驚きと興味があった。
「コンビニ寄っていい?」
 食いさがると、忌々しげな舌打ちが聞こえた。スピードがわずかにあがって、背中がシートに沈む。言外に黙れと言われたような気がした。
「十分待って」
 左折のレーンにハンドルを切る。
「吸えるとこに入るから」
 了承して煙草をポケットにしまい直すと、彼女はあからさまにホッとした顔でハンドルを握りなおした。
 それにしても、彼女にここまでさせるなんて、いったいどんなヤツなんだろう。どこから崩せば聞き出せるだろうか。男なら放ってはおけないし、女ならなおさら放ってはおけない。
 目的地が長居のできる店であることを祈りながら、僕は腹の底に言い表しにくい靄のようなものがたまっていくのを感じている。
これ好き! 好きすぎる!
111strokes1113年前去年、現パロ書くために八世紀分の科学史を頑張って捏造したよ。頑張ったので誰か私のこと褒めて欲しい。https://www.pixiv.net/novel/series/1369623神降臨!