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もちむぎえだまめ1週間前TS娘のアイデンティティに関して(第三者の会話)メルトダウン
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プールでの遊び疲れが押し寄せてきたのか、血糖値的なアレなのか、あるいはそのどっちもか。ぼんやりし始めた芹那にこまりんが仮眠をすすめてくれて――ほどなくして芹那は片付けた和室でひとりお昼寝タイム。
そこから約一時間後、リビングでのボドゲ大会が一区切りしたところでこそっと芹那の様子を見に来たオレなのであった。
……というのが現在のあらすじなわけだけど。
「天使かな?」
和室で扇風機のそよそよした風を受けながら折りたたんだ座布団を枕にタオルケットをかけて眠る――ありふれた『夏』のひとコマでもその主役が芹那なだけでなんかもはや宗教画。全国のサイゼに飾られちゃう。
同時に、オレと芹那が恋人同士――もしくは親子みたいな関係だったら、おでこかほっぺにチュッとしちゃってただろうなあ……ってくらいにこう、愛おしいっていうのかな……誰より可愛く感じて大切にしたい、みたいな気持ちがふわふわ溢れてくる。……まだそこまでの関係じゃないから、そっと髪やほっぺを撫でさせてもらうだけに留めるけど……。
「……ふふ」
芹那、ほんと一度眠るとぐっすりだなあ。すやすや気持ちよさそう。……一緒に寝たら芹那の寝息ASMR効果でオレも気持ちよく眠れるかな? うーん、お泊りとかでワンチャン検証チャンスが来たり……修学旅行の布団くらいの距離でもじゅうぶん効果が見込めそうだし。……いや、したいけど……添い寝……。

「――はっ」

軽く肩を叩かれる気配に振り向けばそこにはこまりんの姿。
「かき氷でお腹冷やしたワケじゃなかったんですね、ひと安心です」
いつもよりトーンダウンなボリューム、芹那への配慮ハナマル満点。
「あー……『トイレ』って抜けたから。ごめんね、心配かけちゃった」
「いえ、ワタシもこうして芹那くゃんの寝顔を拝む口実ができたのでチャラにしてやりますよ」
冗談めかしてこまりんが言う。理解ある委員長に感謝。
「……その『芹那くゃん』って言いにくくない?」
「ワタシとしては親しみを込めて『芹那ちゃん』と呼んでしまいたいところですが、彼ないし彼女を思えば踏み切れないところがありまして。……ご存じの通り、彼ないし彼女……及び他人の前ではできる限り、今まで通りの『丁字』です。あだ名的な呼び方を好むタイプじゃないのもありますし」
――『彼ないし彼女』。そういえばTS病のひとって、二人称はどうなるんだろう?
「芹那、第二の人生デビュー! ってノリノリなタイプじゃまず無いし、|フィクション《二次元》のTSキャラみたいに『俺は男だ!』って感じでもないしね。なんていうか……性別変わったこと、一応は受け入れようとしてる、みたいな……」
「……それでいて、過剰に適応しようとしているような……いえ、もっと……『諦め』というか、そんな雰囲気も感じます。『自分は自分だ、心まで女性になったわけじゃない』と言いながら、己が『女性』であることを『諦めて』受け入れようとするような」
「……うん。それでなんか、芹那の思う『女の子』がなんか偏ってる気がしないでもない。もっと言えば『男』に対してもね。……そこにこまりんの言う『諦め』がプラスされて変なことになっちゃってるみたいな」
「……女性や男性である以前に、ワタシたちって『個』なんですけどね。最初に面会したときはもっとその辺り理解しているものとばかり思っていたのですが……」
どんな姿でも自分は自分。でも『自分』が今までの『自分』じゃない。今までの『自分』じゃいられない。……たとえ周りの配慮や理解があっても、完全には。
……オレだって芹那を少なからず、かわいいとか以前に『女の子』として見ちゃってる。もし男同士だったらおなかを見せられても恥ずかしくは思わなかっ……いや、芹那のことを『好き』って意識してたら同じだったかも? ……いやでも、ほら、もう着替えとかトイレは一緒じゃないし。うん、そういうとこでそういうとこで。
「どうして急に赤べこ化? ……いえ、正直シリアスブレイクな動作に少しほっとしている自分もいますが」
「これでもシリアスしてたんだけどなー。……でもまあ、オレにシリアスは似合わないか」
あんまり重苦しいのは自分でも耐えられないし。できるだけ明るく楽しくいるのがオレらしさかな。
「……芹那が思う芹那らしさってなんだろ」
「また温度差でグッピーが死ぬようなテンションになりましたね……。
……あまり言いたくはないですけど、良いイメージは無いんじゃないですかね。消極的な意味で不幸上等・巻き込まれ上等って感じじゃないですか、中学の頃から」
「うーん……じゃあそれが反対になれば世界全快オールオッケー?」
「簡単に言いますね……。仮に達成されたとして、それはそれで混乱が起きるんじゃないですか? アッパーリミットってやつです、幸せに耐えられなくて自らそれを台無しにするっていう――」
「……あ、それ今の芹那にちょっとあるかも。なんかね、今日も水着に対して『配慮とか良心が逆にむかつく』『着せ替え人形にされたり変な目で見られた方がマシ』って。なんかさ、コレ台無しにされたがってない?」
……こまりんの目、一瞬でまんまるから半円に。
「着せ替え人形にしてやりましょうか、逆に。……なんですかそのベタフラッシュ背景が似合いそうな無言のリアクション」
「え、だって、だって……」
「幼児ですか貴方。……先程の発言に軽い苛立ちが含まれていたことは認めますけど……なんて言ったらいいんですかね、なんかもういっそ、望むままにしてやったらいいんです。……それを貴方の手で楽しい催しに変えてやるんですよ。得意でしょう、そういうの」
「……オレ自身が女子になることだ?」
「どうしてその結論に? やれるもんならやってみて欲しいですけど」
――あ。
いや待って、なんか浮かびかかったけどパッて消えてった! うう……も、もう少しでなにか掴めそうな気がするんだけど……!
「……いいですよ持ち帰って。聞けたところで今すぐ実行できるアイデアでも無さそうですし」
「たすかる〜……」
理解ある委員長に感謝(再放送)。
頑張って!
ゆず胡椒3週間前原神の二次創作。走り書き。スクロースさんとの友情夢みたいなな何か。ワンクッション頑張って!もちむぎえだまめ2ヶ月前TS娘を起こす自称親友くんそれから数話更新したりカクヨムに全年齢版を作ったりしましたhttps://kakuyomu.jp/works/16818023213333716745もちむぎえだまめ2ヶ月前なんか書けたので続き(?)がちょいちょい上がっています。そして台本形式から一人称文体にクラスチェンジ。

【R18】「(自称)親友くんはツンデレTSっ娘を可愛がりたい!」
https://novel18.syosetu.com/n9349if/
MINORI3ヶ月前週イチでエンドマークつける、くらいのゆるーい感じで。久々に戻りました。ゆるーく続けます。
2993文字、ギリギリだった。(49/100)
https://misskey.io/notes/9negrf18ju3a0b4k
高間晴3ヶ月前カクヨムに少しずつ投稿していきます!
オリジナルSF小説「火星の歌姫」
https://kakuyomu.jp/works/16817330668469222683
高間晴4ヶ月前尻叩きに現在書いてる長編の第三章冒頭。最終章まで書き上げました!
オリジナルでは初の長編です!
https://story.nola-novel.com/novel/N-2b8a3adb-c03c-42ab-821f-87d3e2dadc6c
高間晴4ヶ月前初のオリジナル長編がNolaノベルのSFカテゴリで一位になりました!https://story.nola-novel.com/novel/N-2b8a3adb-c03c-42ab-821f-87d3e2dadc6c?utm_source=copy&utm_medium=none&utm_campaign=bookshare_both&utm_id=book_shareやるじゃん!戌丸アット4ヶ月前書き直したけどテンポ遅いかもしれない。あと前の方が主人公の異質さがあったかもなぁ哲学的な事を考えた事はあるだろうか?
人類とは何か?のような科学的哲学とかでも良い。
誰でも一秒くらい疑問に思う事があるのではないだろうか。
少なくとも悩む、と言う経験は小さなものを入れてしまえば必ずある。
最たるものなら、神はいるのか?
これに尽きる。
兎に角、飽きない議題で陳腐とすら思える上に、話しかけてきた奴は詐欺師と思ってしまうかも。
ただそれでも。
有り触れていて、かつ答えがないのに追い求めてしまう魅力的な存在。
それが神様だ。
これは、そんな陳腐で魅力的な存在を求めた末の結果として書き留めようと思う。
有り得た可能性から出された一つの結果に過ぎないが終わりがあっただけマシな結果だ。
そう、だから手始めに、まず被害にあったのは髪からだった。

「いって!」

天使の髪のように輝きを纏った綺麗なオレンジ髪にハサミが添えられて耐えられなかった。
だから殴ってしまったのだが、残念な事に正義の味方になれなかった青年はベッドから転げ落ちて目が覚めた。
悪役も呆れるような結末で終わった夢に、ぶつけた頭を庇いながら起きた青年を伊勢武蔵(いせ むさし)と言う。

「なんだあれ」

それはそれは丁寧に論じられた説明など無視した脳みそで武蔵は朝食のパンに齧りついた。
苛立ちから獣さながらに齧ったところで武蔵の虚しさは消えない。
何故、夢くらいで悔しくなっているのかすら納得できないが覚えてないので仕方ない。
そんな辛気臭い武蔵に朝の挨拶をするように玄関の呼び鈴が鳴る。
土曜の朝から訪ねてくれる人なんて誰だろうか?

「はーい、どちら様ですかー」
「……ふむ」
「えっと……」
「本当に居たのですね、ムサシ」
「は?」

は?と呆気にとられる武蔵は悪いだろうか。
本当に居たのですね、と誰に話した訳でもなさそうな緑髪の風変わりな少女は初対面だった。
緑色の髪を持つ同級生なら目立つから覚えてない訳ないのになぁ、と武蔵は途方に暮れた。
コスプレするなら余所でして下さい、と言えば良いか?
誰かと間違えてませんか?と聞くべきか。
どれも正しいかもしれない。
けれど武蔵を見つめる少女の表情が、あまりにも武蔵にとっては心動くほどに安らいだ顔をしていた。

「とりあえず休みたいなら、そう言えば」
「えっ…!」

話しかけた武蔵自身も噛み合わない言葉を言ってしまって内心、焦る。
少女とはいえ見知らぬ相手だ。
突然、訪ねてきた相手に言うべき言葉ではないし、何より会話が成り立っていない。
だが、それでも武蔵には彼女がとても疲れているように見えた。
疲れているなら休めば良い。

「……言うは易し、ですよ」
「でも行動できないなら、せめて言葉にした方が違うと思うぜ」
「なら口は災いの元、と言います」
「は?なら何も出来ねぇよ。そもそも何の話だ?コレ」
「貴方の未来の話です」
「えー?意味分かんねぇ、そういう話なら帰ってくれ」

教会なら、この町にもあるからさ!と関わり合いになってはいけないのだと言う気持ちを隠す事もなく扉を閉めようとした。
しかし扉から嫌な音がした。
まるで大木が折れて倒れるかのような耳障りな音だ。

「失礼します」

そう言われた気がするが武蔵の気のせいかもしれない。
だが気が付くと"玄関に立っていた筈の少女の後ろに武蔵は居た"。
目の前の出来事にゾッとする。

「目標補足。貴方はどうしますか?」
「なんだよ!ゲームみたいな聞き方してくんな!」

ボロボロと壊れた泥団子のように家の扉が黒ずんで消えていくのを目にして、武蔵は途方に暮れた。
人生経験がなくとも分かる。
嫌な予感しかない。

「目標は、およそ1キロ先からの威嚇射撃でしたが何か心当たりは?」 
「ないない!アンタに用なんじゃない?つか玄関どうしよ、流石に武人さんキレっかなぁ」
「タケヒトサン?貴方もしか、っ!伏せて」
「ぎぇっ!?」

警告した口で息を小さく深呼吸をした緑の少女は何故かボールを下投げするように右腕を下から前へと振り上げた。
ビュッンと突風が駆け抜けたような重い音を奏でたとは思えない細腕を止めると、何やら前方へと向けられたものの正体はビニール傘だ。
まさに雨上がりの小学生のように振り回したらしい。

「あ、それ俺の傘」
「呑気ですね、ムサシ」

などと的外れな会話をした瞬間。
家の前にある民家は瓦礫となって、武蔵と少女に襲いかかってきた。
だが想定内だったのだろうか。
慌てる様子も無く、少女は優雅な仕草でビニール傘を振ると、どういう訳か崩落による瓦礫の雨をモーセの奇跡のように真っ二つにした。

「うわっ!風つよっ!」
「おや、埃が目に入りましたか?」
「いや、違うけど!どうなってんの、コレ!」
「説明は難しいですが……とりあえず貴方が夢じゃないのか、と騒がなくて何よりです」
「現実逃避してたら俺、死ぬだろ!」
「ええ、賢明かと。今のは挨拶代わりのようですが今の貴方の様子では回避は不可能なようでしたので私が処理しました」
頑張って!
高間晴4ヶ月前とりあえず初めてのオリジナルSF長編の第一章が完成!https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21081140mohe35ヶ月前本編後 まだ何者かにねらわれているカスミを霧生が護衛に来たという前提
家まで送り届けた後の霧生とカスミ(カップリングではない) 一瞬だけ十カス要素有り
「ねぇ、霧生くん。ウチ上がってかない? おいしいお茶があるから、送ってくれたお礼に……」
「いや、遠慮する。まだ仕事がある。それに礼をされることじゃない」
「そう……。えっと、じゃあ、少しだけ待っててくれる?」
「……?」
 霧生を残して家に入っていったカスミは、しばらくしてまた姿を見せた。
「お待たせ。これ持っていって?」
「……クッキー?」
「昨日作ったの。やっぱり何かお礼しないと悪いから……。あ、甘い物大丈夫だった?」
「それは問題ないが……。いいと言っているのに……」
「これなら後で園宗寺さんとも食べられるでしょう?」
「おまえ……ひょっとして、俺が誘いを断ることまで見越して用意していたのか? 意外と強情なやつなんだな。……分かった、これは受け取っておく」
「ふふ、良かった」

~日数掛けてカスミと霧生が仲良くなる過程~(が浮かんでないけど最後は↓で締めたい)

「……何だ雲野、カスミに気があるのか? おまえにはもったいない女だ、身の程を知れ」
それいいね!
mohe35ヶ月前十夜と誠志郎とカスミ「俺、カスミと付き合うことになったから」
「……は?」
 あまりにも唐突な誠志郎の告白に、理解が追い付かない十夜は間の抜けた声を発した。
「いつの間にそんな事に……」
「何かそういう流れになっちまったんだよなぁ。ってコトだから、よろしくな」
「よろしくって……」
 何一つ理解出来ず、困惑する十夜。
「誠志郎くん、十夜くん」
「おっ、ウワサをすれば」
 そこへ当事者の一人がやってきた。
「今日もかわいいな、カスミ」
「えっ!? 何言ってるの、もう……」
 関係が変わったからだろうか?いつもとやり取りが違って見える。
「この後どっか行きたい所ある?」
「あ、ちょっと本屋へ行きたいんだけど……」
「本屋ね、オッケー」
「十夜くんも良い?」
「俺は……遠慮しとくよ。2人で行ってこいよ」
 付き合い立ての二人の間に割って入ることはさすがに気が引けた。
「何か用事だった?」
「いや、別にそういう訳じゃないけど……何となく、悪いだろ」
「……?」
 なかなか意図が汲み取ってもらえず歯がゆく思っていると──
「……ぷっ!」
 誠志郎が噴き出した。
「あっははは! もう無理……!」
 ぽかんとする十夜。何だか嫌な予感がする。
「十夜、今日何の日か知ってるか?」
「何の日って……」
 月が変わって、今日は4月──……
「……テメェ」
「焦った?」
「うるさい、知るか」
これ好き! 好きすぎる!
mohe35ヶ月前理子ちゃん→誠志郎柊誠志郎クン。高校2年生だから……年は17か16かしら。
 とにかく口達者。一体どこから仕入れているんだか雑学に詳しい。
 そしていつもお腹をすかせている。信じられないくらい食べるので、私の財布も何度も被害に遭っている……。
 出会って早々に何歳も年上の私を理子ちゃんなどと呼ぶ。
 なぜだか私で遊んでいる節がある……。

 キミが私の気持ちを知ったらどう思うかしら?
 やっぱりこんな年上に想われるなんて気持ちが悪いかしらね?
 この気持ちは胸の奥にとどめておくべきなんだわ、きっと──

「……ちゃん。……理子ちゃん!」
「…………え?」
「何ぼーっとしてんだよ? アイス溶けてるぜ」
「……あ」
「考え事か?」
「べ、別に……何でもないわよ」
「あ、分かったぜ。さては…………ズバリ、最近太ったのを気にしてる、とか?」
「……は?」
「大丈夫だって、女子は多少ぽっちゃりした方がかわいいって言うしな。俺は気にしないぜ。」
「ちょっとちょっと、勝手に話を進めないでちょうだい! 私は別に太ってなんかないわよ!」
「はは、怒った怒った」
 ……またそうやって勘違いしそうな笑顔を向けるんだから。
「まったく……人の気も知らないで……」
のんびり行こう!
mohe35ヶ月前誠志郎と十夜 心底いとおしそうな顔をしていた「ホント理子ちゃんっておもしろいよなぁ……」

「…………」
 つぶやいた誠志郎の顔を見て十夜はしばし考えると、やがて口を開いた。

「なぁ」
「ん?」
「おまえって、空木さんの事が好きなのか?」

「…………」
 まさか、よりにもよってこいつからそんな発言が出るとは思わなかった。思わず固まる。

「……どうしてそう思った?」
「いや、今の顔見てたら何となくというか……」
「うわ、マジか……俺今そんな分かりやすい顔してた? はっず……」
頑張って!
mohe35ヶ月前本編後 誠志郎を偶然見掛けた理子ちゃん「誠志郎ク……」
 街で見付けた見知った顔。声を掛けようとしたが、その隣には同じ学校の制服を着た……女子。二人が談笑する様子を目にした理子は、発しかけた言葉を飲み込んだ。

「この前、見たわよ。キミもなかなか隅に置けないのね?」
「この前……? 一体何の話だよ?」
「渋谷で、女の子と歩いてたでしょ」
「……あ? ……ああ。何か勘違いしてるかもしんないけど、そりゃ違うって」
「え?」
「ただの買い出しだよ。ほら、文化祭もうすぐだからさ」
「……そう、なの……」
 つかえていた何かが取れたような、そんな自身に気付きハッとする。どうして自分は安堵しているのか……?
「何だよ理子ちゃん、もしかして妬いたか?」
「そ、そんなワケないでしょう!?」
のんびり行こう!
mohe35ヶ月前本編後 付き合ってる前提 誠志郎とクラスメート

一旦シンプルにモブ1人にしたけど、絵的には複数人でギャーギャーする方が良いかな。
「誠志郎!」
 休み時間、机に突っ伏していた誠志郎は呼ばれて顔を上げる。一人の男子生徒がこちらへ近付いていた。
「……あ?」
「クリスマス、いつものメンバーで集まるけど、おまえも来るよな?」
 いつものメンバーで……それはつまり『寂しい野郎同士で』という意味だ。
「あー、俺はパス」
「!? まさか……おまえ……、な訳ねーか」
「そのまさかだったりして」
「!!??」
 仲間と信じて疑わなかった級友から、無残な言葉が放たれる。
「おまえいつの間に抜け駆けッ……聞いてねえぞ!?」
「言ってねえからな」
「相手誰だよ? ウチの学校か? あ、カスミちゃんか名城さんか?」
「違えよ」
「別の学校? 同中とか?」
「つーか、学生でもないな」
「学生じゃない……!? 年上って事か……!?」
「おう、6つ上」
「おま……年上のお姉様とあんなコトやそんなコトしてるのか!? 何っだよそれ、勝ち組じゃねーか!!」
 マジかよ……誠志郎がまぶしく見える……などと激昂したり落胆したり忙しい彼を横目に、誠志郎はブッと噴き出した。
「何だよ」
「いや……年上のお姉様ねぇ……」
 彼の想像しているであろう年上のカノジョと実際の年上のカノジョ、乖離するそれらを照らし合わせて誠志郎は堪えきれない笑みを浮かべた。
のんびり行こう!
mohe35ヶ月前付き合ってないけどキスしようとするところから始まる誠志郎と理子ちゃん「ちょ……ちょっ、ちょっ、ちょ……!」
「何だよ?」
「何って……だって私たち、別にそういう関係じゃ……」
「じゃあそういう関係になるか? 俺、理子ちゃん好きだし」
「え……ええっ!? また適当なこと言って……」
「いやマジだって。理子ちゃんは? 俺のこと嫌いか?」
「嫌いではないけど……」
「じゃ良いじゃん。付き合おうぜ」
「そういう聞き方はずるいわよ! それとこれとは話が違うでしょ……! 何で嫌いじゃないから付き合おうになるのよ!」
「細かいこと気にすんなって。これから好きになってくれればいいしさ。俺、理子ちゃん振り向かせる自信あるし?」
「……一体どこから来るのよ、その自信は……はぁ」
「その気にならなかったらフりゃいいさ。カタく考えないでさ、取りあえずお試しってことで、な?」
「最近の高校生ってそういう感じなの……? うぅん…お試しねぇ…それならまぁ、いいけど…」
「やりっ」
「でも言っときますけど、さっきみたいなことを許すわけじゃないのよ! そこは、勘違いしないでちょうだい」
「へいへい、分かってるよ。んじゃよろしくな、理子ちゃん」
きっとうまくいく!
mohe35ヶ月前外地会にて 真端さんと壬生さんが一瞬居る ギャグ寄り「ところで皆さん、どうです1杯?」
「おお、ありがたいな。いただこう」
「ありがとうございます、真端さん。でも私たち今そんな場合じゃ……」
「空木さん、張り詰めてばかりでは持ちませんよ。時には休息することも必要でしょう」
「……そうですね。分かりました、それじゃ少しだけ……」

「くぁ……。腹減った……何か飯貰えねーかな」
 夜も深まった時分、目を覚ました誠志郎はあくびをしながら暗がりの廊下を歩いていた。光の漏れ出る部屋からは何事か声が聞こえる。真端たちがまだ起きているのだろうか。ならば、無断拝借することなく食べ物にありつけるかもしれない。
 そんな事を考えながら、より声が鮮明になってきたその部屋へ立ち入ると──

……酒宴場だった。

 理子も壬生もそして真端も、ご機嫌な様子で、あるいは顔を赤らめて、笑い交じりに話し合っている。既に中身は入っていないと思われる缶や瓶がいくつも並んでいた。
「…………。えーっと……」
 立ち尽くす誠志郎の姿に気が付いたのは壬生だった。普段とは異なる、明るい口調で誠志郎に声を掛けた。
「おお、柊。お前も1杯やるか~?」
「えっ、何よ、誠志郎クンじゃない。ちょ~どいいところに来たわ、ちょっとキミ、ここに座りなさい!」
「え、おう」
 勢いに押されて、つい理子に言われるがまま返事をしてしまう。そして指された場所──ソファーに座る理子の隣に腰を下ろす。誠志郎を正面から見据え、理子はまくし立てるように話し始めた。
「誠志郎クンには前から言い~たい事があったの。良い?そもそもキミは~年上に対する敬いってものが足りないのよ。大っ体……」
 ところどころ変に力が入っていたり溜めがあったりする。その目付きは据わり気味だ。
「うわ、完全に出来上がってんなこれ……」
 終わりの見えない理子の説教を適当に流しながら、誠志郎はこの場に座ったことを後悔するのだった。
応援してる!
mohe35ヶ月前本編後 酔った理子ちゃんを家に送る誠志郎「ほら着いたぞー、理子ちゃん」
 言いながら理子を雑にベッドへ放る。
「んじゃ、俺は帰るわ」
 変な気起こす前に……と立ち去ろうとするが、後ろから袖をつかまれる。手の主はとろんとした目でこちらを見ていた。
「……もう帰るの?」
(あ、ダメだ、変な気起こす)
落ち着けっ!
mohe35ヶ月前本編後 藍仙高校に理子ちゃんが教師としてやってきたif「理子ちゃん!?」
 教室に入ってきた人物はよく知った顔で、誠志郎は思わず大きな声を上げていた。それを聞いたクラスメートたちも「理子ちゃん?」「柊の知り合い?」「どういう関係?」「怪しい~」と口々にざわめき出す。

「はぁ~~~……」
「何だよ理子ちゃん、深いため息ついて」
「誰のせいだと思ってるのよ! キミのせいでみんな名前で呼んでくるし、完全にナメられてるわ……」
 放課後、そう話しながら廊下を歩いている間にも「あ、理子ちゃんだ」「理子ちゃん、さよならー」などと生徒から声が掛かる。
「はいはい、さようなら。あと、空木先生だって言ってるでしょ」
「はーい、理子ちゃんせんせー」
「…………」
「良いじゃん、親しみ持たれてるって事でさ」
 普段自分のからかっている相手が、同年代の他者にからかわれる様子を見るのもこれはこれで面白い。理子にとってフォローにもならないフォローを誠志郎が入れると、そこへさらに一人の男子生徒が近付いてきた。
「なぁ理子ちゃん、今度遊園地行くんだけどさ、理子ちゃんも一緒に行かない? 男女3対3で行くはずだったんだけど、女の子が1人来れなくなっちゃって」
「行かないわよ。若い子たちだけで楽しんできなさいな」
 あっさりあしらう理子と「ちぇー」と笑って残念がる男子生徒。そのやり取りを見ていた誠志郎はようやく己が悪手を打ったことに気付き、先程とは一変、面白くなさそうな顔をするのだった。
「……俺が悪かったよ。正直失敗した」
「はぁ……?」
応援してる!