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#オリジナル
戌丸アット5ヶ月前書き直したけどテンポ遅いかもしれない。あと前の方が主人公の異質さがあったかもなぁ哲学的な事を考えた事はあるだろうか?
人類とは何か?のような科学的哲学とかでも良い。
誰でも一秒くらい疑問に思う事があるのではないだろうか。
少なくとも悩む、と言う経験は小さなものを入れてしまえば必ずある。
最たるものなら、神はいるのか?
これに尽きる。
兎に角、飽きない議題で陳腐とすら思える上に、話しかけてきた奴は詐欺師と思ってしまうかも。
ただそれでも。
有り触れていて、かつ答えがないのに追い求めてしまう魅力的な存在。
それが神様だ。
これは、そんな陳腐で魅力的な存在を求めた末の結果として書き留めようと思う。
有り得た可能性から出された一つの結果に過ぎないが終わりがあっただけマシな結果だ。
そう、だから手始めに、まず被害にあったのは髪からだった。

「いって!」

天使の髪のように輝きを纏った綺麗なオレンジ髪にハサミが添えられて耐えられなかった。
だから殴ってしまったのだが、残念な事に正義の味方になれなかった青年はベッドから転げ落ちて目が覚めた。
悪役も呆れるような結末で終わった夢に、ぶつけた頭を庇いながら起きた青年を伊勢武蔵(いせ むさし)と言う。

「なんだあれ」

それはそれは丁寧に論じられた説明など無視した脳みそで武蔵は朝食のパンに齧りついた。
苛立ちから獣さながらに齧ったところで武蔵の虚しさは消えない。
何故、夢くらいで悔しくなっているのかすら納得できないが覚えてないので仕方ない。
そんな辛気臭い武蔵に朝の挨拶をするように玄関の呼び鈴が鳴る。
土曜の朝から訪ねてくれる人なんて誰だろうか?

「はーい、どちら様ですかー」
「……ふむ」
「えっと……」
「本当に居たのですね、ムサシ」
「は?」

は?と呆気にとられる武蔵は悪いだろうか。
本当に居たのですね、と誰に話した訳でもなさそうな緑髪の風変わりな少女は初対面だった。
緑色の髪を持つ同級生なら目立つから覚えてない訳ないのになぁ、と武蔵は途方に暮れた。
コスプレするなら余所でして下さい、と言えば良いか?
誰かと間違えてませんか?と聞くべきか。
どれも正しいかもしれない。
けれど武蔵を見つめる少女の表情が、あまりにも武蔵にとっては心動くほどに安らいだ顔をしていた。

「とりあえず休みたいなら、そう言えば」
「えっ…!」

話しかけた武蔵自身も噛み合わない言葉を言ってしまって内心、焦る。
少女とはいえ見知らぬ相手だ。
突然、訪ねてきた相手に言うべき言葉ではないし、何より会話が成り立っていない。
だが、それでも武蔵には彼女がとても疲れているように見えた。
疲れているなら休めば良い。

「……言うは易し、ですよ」
「でも行動できないなら、せめて言葉にした方が違うと思うぜ」
「なら口は災いの元、と言います」
「は?なら何も出来ねぇよ。そもそも何の話だ?コレ」
「貴方の未来の話です」
「えー?意味分かんねぇ、そういう話なら帰ってくれ」

教会なら、この町にもあるからさ!と関わり合いになってはいけないのだと言う気持ちを隠す事もなく扉を閉めようとした。
しかし扉から嫌な音がした。
まるで大木が折れて倒れるかのような耳障りな音だ。

「失礼します」

そう言われた気がするが武蔵の気のせいかもしれない。
だが気が付くと"玄関に立っていた筈の少女の後ろに武蔵は居た"。
目の前の出来事にゾッとする。

「目標補足。貴方はどうしますか?」
「なんだよ!ゲームみたいな聞き方してくんな!」

ボロボロと壊れた泥団子のように家の扉が黒ずんで消えていくのを目にして、武蔵は途方に暮れた。
人生経験がなくとも分かる。
嫌な予感しかない。

「目標は、およそ1キロ先からの威嚇射撃でしたが何か心当たりは?」 
「ないない!アンタに用なんじゃない?つか玄関どうしよ、流石に武人さんキレっかなぁ」
「タケヒトサン?貴方もしか、っ!伏せて」
「ぎぇっ!?」

警告した口で息を小さく深呼吸をした緑の少女は何故かボールを下投げするように右腕を下から前へと振り上げた。
ビュッンと突風が駆け抜けたような重い音を奏でたとは思えない細腕を止めると、何やら前方へと向けられたものの正体はビニール傘だ。
まさに雨上がりの小学生のように振り回したらしい。

「あ、それ俺の傘」
「呑気ですね、ムサシ」

などと的外れな会話をした瞬間。
家の前にある民家は瓦礫となって、武蔵と少女に襲いかかってきた。
だが想定内だったのだろうか。
慌てる様子も無く、少女は優雅な仕草でビニール傘を振ると、どういう訳か崩落による瓦礫の雨をモーセの奇跡のように真っ二つにした。

「うわっ!風つよっ!」
「おや、埃が目に入りましたか?」
「いや、違うけど!どうなってんの、コレ!」
「説明は難しいですが……とりあえず貴方が夢じゃないのか、と騒がなくて何よりです」
「現実逃避してたら俺、死ぬだろ!」
「ええ、賢明かと。今のは挨拶代わりのようですが今の貴方の様子では回避は不可能なようでしたので私が処理しました」
頑張って!
高間晴5ヶ月前とりあえず初めてのオリジナルSF長編の第一章が完成!https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21081140高間晴8ヶ月前縁があってよく通話している方の書いたオリジナル百合シリーズの続きが読みたすぎて二次創作しました(ご本人了承済み)
百合は初めて書いたけどこれでええんか!?
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19419260応援してる!
sinzaka1年前オリジナルファンタジーバトル小説 大地の女神の恵み巡り 「大食戦記 狩人のルフィルは今日もお腹をすかせている」 その2一行目の行頭に空白を入れられない問題

 雪山を走る。
 傾斜角度はおよそ30度ほどの急斜面。それが土や岩でデコボコになり、更に白い雪が厚く降り積もって隠されている。常人ならば歩いて登るだけでケガをする環境だ。
 が、そんな山をルフィルは走ることができる。次に踏み出す地面の状態くらいはおおむね感じ取れるし、仮に予想外の何があったとしても、その強靭な足腰とバランス感覚で修正して次の一歩を踏み出せる。
 走り出してすぐ気づいたが、後ろに吊っている雪獅子が邪魔だ。もったいないので捨てるわけにもいかないので、紐を引いて引き寄せ、その身体を右手で脇に抱える。巨大な魔獣を引きずっても抱えても、ルフィルの足は鈍ることはない。
 加速しながら斜めに下りながら走り、耳を澄ます。先程の声はおそらく年下の女の子のものだった。しかし、一度だけ聞こえた後は途切れている。
 心音と呼吸音の判別に気を配るが、強く吹く風と雪の中ではなかなかうまくいかない。
 ルフィルは耳よりも、目に頼ることにする。
 目をこらしてだいたいの辺りをつけて、ルフィルは大きく地面を蹴った。
 山を下りながら、跳躍する。
 魔獣を抱えた女性のシルエットが吹雪の空を舞う。全身を吹雪混じりの風圧がなぜて冷やすが、彼女は顔色一つ変えずに目をこらした。
 山の中に見えた出っ張り、恐らくは雪に隠された岩が高速で近づいてくる。いや、自分が近づいている。ルフィルは真っ白な風景にも距離感を見失わず、着地のタイミングを測った。
 ルフィルのブーツの足先が岩に触れる。
 岩は揺るぎもせず、巨大な獣を持つルフィルを受け止めた。
 これならいけそうだ。
 勢いのままに、ルフィルは硬い岩を蹴って、さらに高く跳んだ。
 跳躍した岩から十メートルの高さまで上がり、周囲を見回す。強化した視覚が山の中の違和感を探した。先程は声を上げていた。だから、声の主はまだ雪に埋まりきってはいないはず。
 その予想は正しかった。
 落下するルフィルは、右方に雪に白く染められつつある黒い服と、橙の肌を見た。跳躍したルフィルの視界の中、それは通り過ぎていく。
 十秒以上の滞空の後、ルフィルは着地する。今度は足を霊気で覆い、ふわりと着地した。雪煙ひとつ上がらない静かな着地。
 すばやく踵を返し、先程見た人の姿へと走る。
 いた。
 ルフィルは走りよって抱えた雪獅子を落とし、すぐに屈んで雪を払い、その状態を見極める。
 やはり少女だった。見た目としては十代後半だろう。うつぶせになって目を閉じている。黒い髪で、身長は150センチほど。なかなかかわいい。妹にしたい。
 五体満足で出血はなし。疲労と寒さで倒れているらしかった。

「……?」

 寒さで倒れている。
 それも当然だ。彼女の服は布地が驚くほどに少ない。肩が出たインナーにマント、短めのスカート。まるで南国のような姿だった。
 まあルフィルも長袖でロングスカートとはいえ、この雪山では彼女と大差ない姿ではあるのだけど、彼女は特段に頑丈なので大丈夫なのだった。
 そして頭には頭頂がとんがった形の幅広帽子。この服装は魔術師の特徴……おそらくは戦闘系の術師だと予想できた。少ない布地でも魔力でガードができる服だ。ただ、それも攻撃された時に使うものであって、恒常的に続く寒さは防げないだろう。
 自分のように身体を霊気でガードできる闘士でもないのに、水の大陸が生える大地の果て、そしてその前にそびえる最後の山からほど近い山の中で……この姿で?
 なんとも不可思議な遭難者だった。
 とはいえそんな疑問も一瞬、やることは変わらない。すぐにルフィルは処置に入る。
 身体を仰向けにして、持ち上げる。

「起きて」
「…………」

 声をかけながら顔をかるく叩く。
 閉じた眉が動くが、開く気配はない。
 とりあえず身体を温めて意識を戻す必要がある、とルフィルは考えた。
 少女の身体を支えながら背負い袋を片手で下ろし、中に手をつっこむ。そして陶でできた灰色の小ビンを取り出す。赤い蓋をされていた。
 ビンの首を掴んだまま指で蓋をはじきとばして開ける。
 口元に近づけて飲ませようとして、ふと思い直す。
 これは自分用の気付け酒だ。何も考えずに熱辛子と爆炎酒と各種の強力な薬草を配合してある。そのまま飲ませるのは薬効が強すぎるかもしれない。

「んっ」

 迷わず自分で口をつける。半分ほど一息で飲むと、喉が強く焼けて数秒で身体が熱くなってきた。暑いから服を脱ぎたくなるほどだ。効果を確かめることもしていなかったけれど、飲ませなくてよかった。ショックで気絶してしまったかもしれない。
 少女の身体を持ち上げ、雪の上に放り捨てた雪獅子の上に横たえる。まだ仕留めたばかりなので、雪の上よりは体温が奪われないはず。
 そして、ルフィルは自由になった腕で、雪獅子の胸に空いた穴に手をつっこむ。
 中に触れる柔らかい感触。これだ。解術を発動し、血管と筋肉を切り離す。
 つっこんだ手を穴から戻し、ひきずりだしたのは……中心に大穴を開けた赤い臓器。雪獅子の心臓だ。
 魔獣の心臓は栄養と霊気に満ちた食材なのだ。
 とはいえ念のために……ルフィルは自分で軽くかぶりついてみる。口の周りを血で汚しながらもぐもぐと咀嚼。

「うん、おいしい」

 毒もない。
 そのまま心臓を気付け酒の小ビンの上に掲げ……強く握る。
 同時に解術を発動。握りしめた心臓が分解されつつ絞られ、肉と血が混合された液体となってビンに注がれる。
 半分に減っていた気付け酒が、赤くそまりながら元の量に。
 衰弱した人間にはとりあえず良い肉を食べさせる。狩人の応急処置の基本のひとつだ。
 残った心臓をもうひとかじりしてから雪獅子の中に戻し、解術で再び血を洗い落としたあと、少女の上体を支え起こして口元にビンを近づける。

「さあ、飲んで」
「…………」

 反応がない。
 仕方ないので、ビンを持ったまま指を少女の口につっこみ、顎を開けさせる。そして小瓶の口を。

「えいっ」
「…………!」

 胃の奥まで酒を注ぎ込まれた少女の反応は劇的だった。
 半分どころか一割ほど飲んだだけで目を大きく見開き、盛大にむせる。

「ごほっ、ごぼ、ごはげほっ!!」

 真っ赤な液体を撒き散らしながら咳をする姿は、まるで末期の死病に侵された姿にすら見えたが、実際はその逆、注ぎ込まれた酒と肉の薬効が少女の身体を賦活していた。
 しばらく咳をさせるままにしておいて、ルフィルは様子を見る。
 やがて少女は白黒させていた目を、ルフィルの側に向けた。震えながら口を開いた。

「あ、の……いま、毒を飲ませた……?」
「これは薬だから大丈夫。もっと飲んで」

 口に小ビンの口を近づける。少女はいやそうな顔をしたが、諦めたように口を開ける。ゆっくりと気付け酒と心臓のカクテルを、嚥下していく。
 さらに二割ほど飲むと、効果はすぐに出たようだった。少女の顔が生気を取り戻して、身体をみじろぎさせる。
 そこで少女が苦しそうな顔をしたので、ふたたび小瓶を口から離す。少女はかすれた声で感想を述べる。

「辛くて苦いだけだと思ってたんですけど生臭さもあるし、でもその中にうまみ? が……」
「いいお肉を使ってるからね」

 ルフィルがにっこりと笑う。透明で純真な笑顔。少女もつられたように、少しひきつった笑顔を浮かべる。
 彼女の身体は少しだけ回復した。とはいえこの効果は一時的なもの。気付け酒の薬効、そして雪獅子の心臓の霊気と栄養が、死にかけた彼女を永らえさせているにすぎない。暖かい場所に運んで、できればしっかりとプロに治療してもらう必要がある。ルフィルにできるのは応急処置だけだ。ビバークやキャンプを行って治療することもできなくはないが、それよりは山を走って降り医者の元に飛び込んだほうが早い。
 ルフィルは小ビンを雪の上に置く。本当は全部飲んでほしかったが、それは難しそうだった。彼女の弱った身体は、十分な霊気食を行える状態ではないようだから。

「いま、ふもとまで運んであげるから」

 ルフィルは少女の身体を持ち上げようとして……気づいた。
 襲撃の気配。

       つづく
縁糸屋1年前モブおじさんの命が散りますワンクッションいいねunitu0361年前R18 子供同士でみせあいっこワンクッション行ける気がする!K1Vgq2年前自分が過去に書いた一次創作で解釈違い起こすんだけど、インターネットのみんなは起きないの!?起きない…!?わかる、わかるよ……ねむね2年前kakeneeは手軽で助かる…宣伝の言葉を考えなくてもあげて良い優しい雰囲気本当に助かる~…!https://ncode.syosetu.com/n5839hq/19/HTNS2年前致してませんが、誘ってます。少し深いキス要素🔞に近いです。ワンクッション頑張って!marina2年前最近はじめた一次ですが、書けました!!書き終わってからそれなりに経ったけどhttps://novelup.plus/story/500711502やったぜ!なごごち2年前神秘的な泉で出会ったお兄さんがガチめな悪霊になってしまい僕に執着して周囲の人を呪殺したりする話

という悪霊ホラーBL少し切ない話を構想中なのでここに走り書きしていく
あらすじ決めて一話書くところまで今月いきたいな
人生初のオリジナル長編なので出来より完結が重要
迫水先輩は、今日は食堂の角の席をとってくれていた。僕たちは週2回ほどこうしてランチを一緒に食べている。
 僕が食べるのはだいたい蕎麦かうどん、先輩は大盛りのカレーが好きなようで、今日も卓に並ぶのは同じメニューだ。

「部活はそろそろ決まった?」
「うーん……先輩と一緒がよかったんですけど、空手部には本当に全然行ってないんですか?」
「ああ。籍があるだけの幽霊だ」
龍澤澁彦2年前短くても少しずつ足していくテスト。今度は台風が過ぎてイメージしたことを。家の中にこもりきりだった体を起こそうと、久しぶりの晴れの日に近くを散歩してみた。
台風が明けて晴れ渡った空はすっかり秋の高さだ。見上げてマスク越しに深呼吸する。あの空の青が始まるところの空気を吸い込むように。
今あなたがいるところもこんな風に晴れてるだろうか。
応援してる!
adumsss2年前はじめてみたいのでテスト むかしにかいたやつワンクッションやしお3年前本気で書き上がらず終いになってしまったので別の掌編置いときますね……めっちゃいい曲聴いてて閃きましたカーマンライン


 予め定められた時間通りに消えただけの街灯に戸惑って背後を振り返る。
 
 
 捌けない雨水に艶めく石畳をブラックのオックスフォードが蹴って、軽快なステップを披露する。二歩、三歩。最後の四歩目は半歩で止まった。
 差していた蝙蝠傘を跳ね上げた。広がっていたのは傘の布地と似て非なる一面開けた黒だ。雨は止みかけている。
 「やぁ」
 随分余裕そうだが、大幅に遅刻してくれた言い訳にはどんな冗談を持ち出してくれるだろう。

 「ただ今迎えに上がりました、ご主人様」
 「誰がだい?」
 「またまた」

 まだ霧雨のせいで湿った空気を晴れ晴れと掻き消しながら恭しく差し伸べられる左手はまるで真夜中の晴れ間を謳う招待状のよう。何に招かれるかなら生憎と知らない仲でもない。
 
 「お手をどうぞ」
 「ご心配なく」
 「ノリが悪いんじゃないか?」
 「どう乗れば正解なのかな」

 今空と僕は最早ゼロ距離になった、気がした。抱いた思い違いを裁くべき公明正大なる判事は残念ながら欠席していた。そのまま永久に葬られ、土の下で大人しくしていてくれると助かるのだけど。
 彼が不平不満にむくれていたと思えば、足元の空をまたしても波打たせて、徐に担いでいた大切な仕事道具を守る蓋の掛け金を跳ね上げた。雨は止んでいる。目配せに頷くと、空のケースは放物線を描いて投げ渡されていた。あんまり雑に扱わないで欲しいと何度言えば分かって貰えるのだろうか。中身だけ無事ならば良いと思って。

 ぼやくのもそこそこに、暗天をそこいら中に散りばめた星空のど真ん中で構えた弓が丁度雲間に現れた弦月に重なって、何処までも憎らしい程様になっていた。悔し紛れに吹かした指笛が開演の合図だ。

 「それじゃあ一曲」

 吸い込まれるような、張られた四弦を統べる姿に魅入られてしまえば後はもう、観客と主催者の境界線は意味をなくしてしまった。


 海抜百キロメートルの特等席を独占した暁に僕は、名演奏家へ惜しみない拍手喝采を浴びせたのだった。
やっちゃいましょう!
やしお3年前彫師×青年
書きかけのやつの冒頭です。
内容的には同性モノですが全体的には和風ホラー(?)な感じで
夢食う膚

 当夜は見目の良い男だった。
 間近で見ると滅多な世辞も憚られ、一寸微笑まれでもすれば老若男女を問わずして惚れ込まんかという、廓狂いの博徒連とは比べるべくもない美丈夫が彫物師甚三の元へ足を運んだのは錦秋の候であった。山を彩る楓に負けずとも劣らぬ鮮やかな衣を払って、心持ち頬が撓う様なぞかえって震えを催すほど健気であった。

 これ幸いと甚三は胸が小躍りし、常の倍は丁重にもてなそうと努めて振舞った。如何様な図柄を彫るにしろ生半には耐えられず腕っぷしが取り柄の無頼漢でも泣いて逃げ出すくらいであるから、踵を返されては堪らぬと湊と名乗る青年に念には念を押して言い含めたのである。
 いいかい、このまっさらな肌にこんな刺青をこのように入れるから、その間はぢっとしてなければならないよ。何お代は事が済んでからで構わん、ただ代わりと言っては何だがちとお前さんの身体を拝ませてはくれまいか。状態をよく見ておかなければならないからな。

 不躾は百も承知であるばかりか下心に任せた頼みであったのだが、果たして願いは成り、引き受けた湊が肩から小袖をうっそりと落として妖しく見返った。

 「あんまり見ないでくれな」

 惜しげもなく晒された眺めに甚三は感嘆した。ここに一針一針墨を入れ込み一生涯消えぬ轍を残すのである。想像するだに馨しい喜悦だ。舞い上がらずにどうしていられよう。今日この日彫るに当たっては十分な支度が整っていなかった。故に万全の用意をし、次に湊を迎える日取を相談しなければならないが、煩わしい手筈を飛ばしてでも素性を暴き立ててやりたいと甚三は固く拳を握り、人知れず邪な目論見を立てていた。
 それはいかにして男に取り入ろうか、あわよくば床を共にしてはくれまいかという下世話な望みから生まれていた。

 というのも、湊の商い、正体には薄々勘付いていたのである。一目で直覚したのだ。肉付きといい所作といいかなりの上玉に相違ないと一人頷くともなく顎を引いた。
 詰まるところ色を売る生業の身分なのであるから、そう易々とは靡くまいと思いつつ、儚いながら期待も捨て切れずにした首肯である。自分ばかり希っているのも癪であるから、ならばいっそ一世一代の大仕事をして、見事信頼を勝ち得るが早かろう。意気込む彫師をしてまたとない好機に、平静を装うのは酷に過ぎるというものであった。
 甚三はしげしげと無遠慮に素裸を堪能した礼を言って、元の通りに着物を整えてやった。

 「しかし一体何処で俺を知ったのだい」
 「随分と見事な墨を入れていた客がいたもんで、強請って教えさせたのさ。そうしたらこの辺りに大層腕の立つ彫師がいると言う。いても立ってもおれなんだ」
 
 成程やはり一筋縄にいくまいと甚三は口元を真一文字に引き結んだ。かつての力作がこうも憎たらしくまた妬ましく感ぜられるのはかつてなく、しかしどんな経緯があるにせよ湊を導いたは紛れもなくこの俺の腕前のお陰なのであるから、向っ腹をどうにかこうにか呑み込んだ。
 曰く湊は「悪い夢を食う」のだと風の噂を耳にした。甚三はこれを気障な売り言葉、湊なりの関札に相違ないと気付いた。持ち得ぬ者は何人も通さぬ難攻不落の楼である、浮世の悪夢を食うとは粋な男と露ほども疑わず、そればかりか二度顔の合った時なぞは既に素肌を拝んだ仲であるとの驕りさえ心底から信じていた。

 しかしこの男が中々の曲者であった。
やしおさんのやる気に変化が起きました!
ruka_rose3年前昔のやつを再掲。カベウチとかけねーどちらにしようか迷う。

 AM5:23

 この間、夏至が過ぎたばかり。きっと外は白々と明け始めているだろう。
 それなのに、こんな窓もないラブホテルではまだ夜は続いたままだった。
 隣で寝ている男の顔を盗み見る。意地汚く眠りを貪っていても男の横顔は綺麗だった。
 起こさないように男の前髪に指を絡める。薄茶色の猫ッ毛の髪が気持ちいい。
 ずっとこうしていたかったが、そうはいかない。
 弄ぶのを止め自分の人差し指を愛撫するように口付ける。ここに男の髪が絡んでいたと思うだけで愛おしい。
 恋愛感情がなくてもSEXはできる。男とはそういう関係。
 彼が目を覚まさないうちにここを出なければ……恋人でもないのに朝を一緒に迎えるなんて余計疎ましく思われるだけだ。
 そっとベッドを抜け出し、シャワーも浴びずに手早く身支度を整える。気持ち悪いけどそんなことは瑣末なこと。
 男の眠りを妨げてしまうことのほうが重要だ。
 ホテル代の半分をベッドサイドに置いて、もう一度男の顔を見る。
 好きです。
 どうしようもなく貴方が好きです。
 明けない夜はないというけど、そんなことは嘘っぱちだ。
 こんな窓もない部屋に朝日が差し込むはずがない。ここはずっと夜のまま。
 二人の間に朝はこない。


493文字
きゅんとした
龍澤澁彦3年前kakenee始めたからには自分も何か書かなきゃなあと思い、今週末の台風で浮かんだシチュエーションを書いてみました。拙いですが……。「おはよ。雨すごいねえ。タコ殴りの雨ってやつ?」
「それを言うなら横殴りね。おはよ。雨うるさかった?」
パジャマ姿で目をこすりながらリビングにやってきた彼女に答える。
「うん、やっぱり台風来てるんだね~。昨日はそうでもなかったのに。」
「そうだね。私も音で目、覚めちゃったから。紅茶入れるね。」

カップに少しの水と牛乳を注ぎティーバッグを入れてラップをかけて電子レンジにかける。そして電気ケトルに水を入れて台にセットする。これは私の分。電子レンジが彼女のミルクティーを錬成している間に、沸いたお湯を自分のカップに注いでティーバッグを入れる。抽出を待つうちに電子レンジが音を立てるので、私はカップを取り出し砂糖をひとさじ入れてかき混ぜる。

彼女との交際は二年にもなろうかとしている。完全週休二日制だが小さな会社で休日出勤も多い私と、接客業で週末の仕事も多い彼女との間で会える日はそう多くはなく、今日は久しぶりに二人で過ごす休日だった。
この日に向けてどこに行こうかなんて予定を立てていたものの、数日前から発表された台風の進路予報に外出のプランはあえなく崩されてしまった。ならせめて家で映画でも見て過ごすかという話になり、彼女は台風に足止めされないよう、勤務明けの前夜から私の住むマンションの部屋に泊まりに来ていた。

「はい、できたよ。砂糖足りなかったら足して」
「ありがと~。台風の日って家の中にいるありがたさを実感するねえ。」
安心しきった彼女の声を聞きながら、自分のマグカップからティーバッグを引き上げる。外に目を向けると、朝目覚めたときから勢いを落とすことなく雨粒が窓に打ちつけている。このままの勢いが続けば都心でもどこかが冠水するかもしれない。

ふと自分のマンションの外までも水があふれた姿を想像する。街が私たちのいる階の真下の高さまで水に覆われて、この部屋が陸の孤島と化す。そうしたら仕事に行くこともなく明日も明後日も二人で過ごすことができるのに……いやいや食料はどうする水道も電気も止まるだろう。阿呆な妄想は即座に現実的思考に却下されて、私はマグカップをもって彼女のもとに戻る。
「これだけ雨がすごいとさあ。ここらへんも水に浸かっちゃってこの部屋だけ陸の孤島になっちゃったりして!そしたら帰らなくてもいいのにねえ。」彼女が言った。

「……んなわけないでしょ。」
私は呆れ混じりに微笑んで返す。たまたま昔読んでいた漫画の、一番好きだった描写までもが一致してたような、そんな気持ちを隠しながら。
きゅんとした
EzMwPIC6w4k4zc53年前なんとなく続き
英語小説
Google翻訳が文字が多いと固まる!
途中まで書いたけど、母に寝ろと怒られたのでここまで
日本語原文ママ
私は音羽メロディ
キラキラネームですか?って
言われかねない名前の12才 ええ、そうですよ
音楽の町・音野町の町立中学校に
通っている女子なんだけど
今現在、公園でとても気分が沈んでいる。
理由としては「また落選?これで何度目だよ!」
オーディションに立て続けに落ちまくっている事
将来はシンガーソングライターとして自分の曲を多くの人々に聴いて貰いたいと思っている。でも、現実は漫画みたいに甘くはない
「私には音楽のさいのうがないのかなぁ」
と絶望に打ちひしがれている
EzMwPIC6w4k4zc5さんのやる気に変化が起きました!
EzMwPIC6w4k4zc53年前Google翻訳で作る英語小説
音の決闘のアオリ部分
英訳の日本語原文
2031年(令和)13年
2020年の新型コロナウイルス渦以降、
音楽業界が様変わりした。それから11年後ー
拡張現実が進化して
本格的なオーディションが行われ始めた
それは、奏者同士で音を交えて戦う武闘派な
アーティスト発掘オーディションその名は
サウンド♪デュエル
文字通り、音の決闘であるー
hando3年前お題:元恋人、一晩中、指でなぞる、負けず嫌い
ぱっと思いついたので。
「また負けた!」

叫びと共に一枚のトランプが中を舞う。ひらひらと落ちるそれを眺めながら、これで何度目の勝負だったか、とオレはぼんやり思考を回す。何度あくびを噛み殺しそうになったかわかりゃしない。もう一度、もう一度、とせがまれて付き合っていたが、正直なところ、ちっとも勝負にならないのだ。

(ポーカー、七並べ、大富豪、ババ抜き。この人全部顔に出るんだもんなぁ……)

カードからちらりと視線を流せば、目の前の女性は小綺麗な顔をコミカルに歪ませて、不満そうに唇を突き出している。恋人だった頃から変わらないのだ、この人は。ポーカーフェイスを真逆を行く豊かさも、負けず嫌いなところも。

「さ、もう日が変わるからこれで終わり。寝ろ寝ろ」
「お願い! あともーいっかい!!」
「ダメだっての。……お前だってもう寝たいだろ? なぁ」

指先で触れるのは、大きく膨らんだ彼女の腹。同意を求めるオレの声に反応したのか、指の腹に、どん、と衝撃が伝わってくる。ぐえ、とえづく声に小さく笑いながら、オレは立ち上がろうとする”元恋人”の手を取った。
天才!