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memu12/6 8:05さくっと終わるネタだと思って書き始めたら終わらぬ😂あいつが猫になっちまった 途中まで

ゾヤ局♂

※タイトル通り
※カプ要素薄め?


 妙な感覚が『枷』からした。
 ミノス危機管理局の局長サマである〝あいつ〟を通して感じる、自分たちとの繋がり。異変の場合の中では、よく知っている異常な汚染の侵食とはまた違う、変な感じだった。
 ゾーヤは右手首を左手で軽くさする。

「今日は任務に出かけてんのか?」

 局内を歩み、彼の副官であるナイチンゲールと出くわせられたなら聞いてみるかと『枷』の感覚をたどり、向かってみることにした。
 すると意外にも、よく知っている局長の執務室に到着ことになる。

「局長、入るぜ」

 ノックもせず入れば無人。いや、おかしい。
 確かにあいつ気配はある。
 一体何があった?
 ふいにデスクの足元が気になった。歩み寄ると、彼のジャケットが乱雑に落ちている。それだけじゃない。

「なん、だ……?」

 ジャケットが不自然に膨らみ動いている。
 もぞもぞと動き続ける正体を確かめるために剥ぎ取った。

「にゃっ?」
「猫?」

 猫だ。
 濃い灰色の毛色。
 というか。

「局長なのか?」
「にゃあ!」

 視界に映る存在から『枷』の繋がりを感じる。
 床には、ジャケット以外にも彼の普段身につけているシャツやズボンまで。しかも、猫の左耳には見覚えのあり過ぎる、ピアス。

「…………。マジか」

 しゃがみ、猫との距離を縮ませる。おもむろに手を伸ばし、脇を掴んで持ち上げた。前に局長を担いだ時よりもずっと軽い。

「つか足短くね?」

 シンジケートで見たことのあるノラ猫と比べると、かなり短い。
 ちょこんとしていて、足と言うよりも『あんよ』と称したほうがぴったりの短足ぶりだ。本来の人間である時の彼は、ひょろりと細長い手足をしているというのに。
 思わず、笑ってしまった。

「なぅぅ」
「悪い悪い、怒るなって。俺の言ってること分かるんだな?」
「にゃ」

 そういえば先程、局長なのかと問えば元気に返事をしていた。
 しかし、どうしたものか。

「こんなコンビクトの能力、聞いたこともねえぞ」

 いや、触れたものを宝石へと変化させるコンビクトがいるくらいだからいてもおかしくはないのか。果たして元に戻せるのか?
 それに、多くの人間には知られないほうがいい。

「にっ?」
「暴れるな。俺に抱っこしてもらえるなんて光栄だろ?」
「にゃ、にゃーあ……っ」

 小さな身体を抱き抱える。局長らしき猫の様子はなんだか忙しない。
 そういえば、こいつは男だった。

「お前は特別だから、存分に俺の胸を堪能していいぜ」

 次は固まった。面白い。
 だが、いい加減ずっとここで遊んでいる訳にもいかない。

「俺みたいに『枷』に違和感を感じたやつもいるかもしれねえ」

 その考えは当たっていたようで。

「局長ー!」

 元気なヘラの声が飛び込んできた。

「ヘラ、ノックぐらいしなさ……ゾーヤ?」
「姐御だ!」
「局長」

 共にやってきた中でヘカテーだけがこちらを、腕に抱えている局長(猫)を凝視している。
 ナイチンゲールはともかく、ヘラとヘカテーは自分と同じく『枷』から伝わる違和感を頼りに来たのだろう。

「お前らも『枷』の異変を感じて来たんだろ?」
「そう。局長は、あなたが来た時からその姿だったの?」
「マジ……? やっぱそうなの? あの猫から『枷』を感じる」
「あ、あなた達、何を言ってるの?」

 局長が不安げに短く鳴いた。頭を撫でてやる。

「俺が来た時、局長の服だけ脱ぎ捨てられてて、こいつがいた。しかも、俺達の『枷』はこの猫から繋がってる」
「…………その可愛らしい猫が局長だと?」
「だからそう言ってるだろ」

 ヘカテーがふらふらと近づいて来た。

「局長、」

 目の前で立ち止まり、局長である猫に手を近づけて触れないギリギリの距離で、止まる。

「大丈夫……?」

 普段表情が読み取りづらい、少女の眉が下がる。
 人一倍、彼を守る気持ちが強い子だ。心配で仕方ないのだろう。
 気づけばヘラがヘカテーの隣に来ていて、楽しげに茶化し始めた。

「てか局長ってば、足みじかっ。これ、マンチカンてやつ? 実物初めて見たよ」
「へえ、そんな品種の猫がいんのか」
「ねぇ姐御、触っていい?」
「いいぜ」
「にゃ……に、ぅ、ごろごろ……」
「あははっ、喉が鳴ってるぅ。局長気持ちいいんだ〜?」
「ちょっ、ちょっと待って!?」

 状況をまだ上手く飲み込めていない、ナイチンゲールの声が上がる。

「昨日も今日も局長は、局内の業務で外に出てはいない」
「だから、コンビクトの能力による被害か分からない。けど可能性は低い訳じゃない」
「ええそうねヘカテー……。だから調査しなければ、でも」

 こんな状態、正直に通達してしまえばパニックになる。けれど長く隠し通すことも無理だ。

「とりあえず、俺が『局長』の世話をしておいてやるよ」
「姐御の傍なら安心だね」

 ナイチンゲールの渋い顔がさらに険しいものになる。
 ある意味、軍団の長に人質を取られたようにも見えなくもないからな。

「局長」

 表情を意を決したものへと変え、彼女が近づいてくる。

「今後の仕事は心配しないで下さい。私がなんとかします。最近の任務について洗い直し、調査の目処が立ち次第、ヘカテーとヘラには任務に就いてもらいます」
「局長は今、命令できる状態じゃない。分かった、あなたに従う」
「しょうがないなぁ。局長ってば、ほんとにお騒がせなんだから」
「にぅ」
「ゾーヤ」

 鋭い視線がこちらを射抜く。

「貴様は今夜、特別に局長の部屋で過ごしてもらう。局長をコンビクトの牢屋に入れるわけにはいかないからな」
「そりゃ思いがけない高待遇だな、ありがてえ。ナイチンゲール、お前、心配してるだけじゃなくて、今の局長に触れたいんじゃねえか?」
「えっ」
「そうなのナイチンゲール〜? 可愛いよ、ふわふわで気持ちいいよ〜?」
「局長に気安くそんなことできるわけないでしょう!?」

 顔を真っ赤にしてるあたり、図星のようだ。

「ごほん。とにかく、しばらくこの事は内密に。今日はもう遅いからさっさと部屋に戻りなさい」
「あたし、姐御と一緒に局長の部屋に泊まりたぁい」
「ダメです!」

 言い争いを始めたふたりをよそに、ヘカテーが局長を再び見つめ口を開いた。

「局長、その姿でも『枷』を使えるなら、使って」
「にゃあ」

 猫の姿の局長は右手ならぬ、右前足を上げて応える。大丈夫だとでも言っているのだろうか。

「局長をお願い」
「任せろ」
「なぅ、にゃ、にゃあ」
「多分礼か詫び言ってんだろうけど、その鳴き声だと気が抜けるわ」
「にゃっ!?」

 いや本当に。足も短いし。猫だし。
 また笑いそうになるのを堪えながら、彼の部屋へ向かうことにした。


 ×××


 殺風景というほどでもないが、生活感が薄い部屋の中。
 ベッドに局長(猫)と、ナイチンゲールが早急に用意した猫を飼う為の必要最低限の物を置く。

「えっと……猫缶と、これはトイレシート?」
「…………。」
「チビ達がお前の世話係じゃなくて良かったな」

 猫の姿とはいえ、精神は人間なら公開羞恥プレイだ。年頃の少女達の前でより自分の傍のほうが幾分かマシだろう。
 真顔になっていた局長は突然ベッドから降り、ある扉の前まで向かった。
 飛び跳ねてどうやら開けようとしているらしいが、ジャンプ力が弱いし足も短いから無理だ。

「そこがトイレか? 観念しな。大体開けられたとしても難しいだろ。我慢もすんじゃねえぞ、体に悪いから」
「にぃ……」

 頭を下げてしょぼくれている。
 駄目だ、可愛い。にやけてしまう。

「見えにくい場所に置いてやるって。ほら、猫缶開けてやるからこっち来いよ」
「にゃ……、にゃ」

 しぶしぶ、とぼとぼ、ちょこちょこ。
 そんな擬音が聞こえてきそうな歩き方。
 彼の立場で考えたなら事は深刻で、かろうじて意思が通じているのが幸いという状況。正直、本来なら笑えない事態ではある。
 なのに、猫の姿というだけで、何もかもが緩んでしまう魔力みたいなものがあった。
 開けた猫缶を床に起き、局長がそれを覗き込む。
 くんくんと匂いを嗅いで食べ始めた。

「美味い?」
「にゃ」
「良かったな」

 堪らず頭を撫でてやると、気持ちよさそうに目を細める。
 人間だったら、なかなかできないスキンシップだ。けどその場合はどんな表情をしてくれるのか、見たくもある。
 訝しがる? それとも照れくさそうにする?
 元に戻ったら試してみようか。
 そんなことを考えている内に食べ終わったらしく、猫缶の中身は空になっていた。

「俺はシャワーでも浴びるかね。一緒に入るか?」
「っ?」

 首をぶんぶん振られた。

「ひでー。そこまで拒絶することないだろ。……無いとは思うが突然誰かが来たらすぐに知らせろよ」
「にゃう」
「じゃあ風呂借りるわ。っと、なんか着替えになるもんも借りていいか?」
「にゃ、にゃあ」

 局長の視線の先、クローゼット内の収納ボックスの中にパジャマがあったのでそれを使わせてもらうことにした。


 シャワーの温かさに、身体の力が抜けていく。
 気を張っていたつもりは無かったが、不安が付きまとっていたことは確かだ。
 もし、あの姿のままだったら?
 俺はあいつの為に何をしてやれる?
 コンビクトが原因なら捕まえればいいが、別の要因だとしたら?
 情けないことに、何も浮かばない。

「あー、らしくねー……」

 だいたい、局長が、あの局長が諦めるわけないだろ。
 それに事が起きて半日も経っていないのだしと、ネガティブになる思考回路を遮断する。
 明日とナイチンゲールの調査に期待して、さっさと寝てしまおう。
 そう思った時だった。

「…………?」

 再び『枷』の感覚に違和感が。
 いや、違和感というか────、

「局長」

 早々にシャワーを切り上げ着替えを済ませた。シャワールームから出て彼を確認すると、自分の尻尾で遊ぶ〝猫〟の姿。

「局長……! ──!!」

 困惑と不安から名前も呼んでしまう。
 驚き、こちらを見る瞳は、しっかりと見つめている気がする。

「局長、俺のことが分かるか」
「にゃあ?」

 分からない、声に反応しただけかもしれない。
 小さな身体を抱き上げる。

「にゃーあ」

 繋がり、が。彼との『枷』の繋がりが、弱くなった気がしたのだ。

「…………。」

 まだ眠らずにベッドに座りながら『局長』を膝に乗せ、モニターで適当な動画を見ていた。
 もし、こいつを猫にしたやつの狙いが〝これ〟なら、よく考えついたものだ。
 ──意識を人間から動物へと変えて、『枷』を無力化する。
 一瞬怒りが拳に籠りそうになったが、うっかり彼を傷つけるわけにはいかないのでなんとか気持ちを落ち着かせる。
 なあ、どうしたらいい?

「お前がいるから、俺はここに来たんだぜ?」

 例え今は檻の中に居るとしても、お前なら変えられる。そう、信じたから。

「局長だって、こんな形で何もかも放り出したくねえだろ?」

 問いかけながら頭を撫でてやると、不思議そうな顔で見上げてくる。
 自分には、彼自身の人間としての意識は完全に抜け落ちているように見えた。
 けれど『枷』は切れていない。
 細い、細い糸のようにわずかに繋がっていると感じ取れる。

「局長……」

 いつの間に俺は、この『枷』に縋るようになっていたんだ?
 初めて存在を知った時は疎ましく、その後は利用することを考えていたのに。
 コンビクトの意思や能力を時に縛り同時に狂瞳病の汚染を抑える『枷』は、持ち主が許容量以上の汚染を受け精神の異常をきたせば、通じている自分達にも弊害を受けてしまう。厄介なメリットとデメリットが混在する、繋がり。
 それでも。
 彼との『絆』なのだ。『これ』は。
 彼という人間の存在だからこそ、そう思えるほどの『繋がり』に昇華させた。
 それを失うかもしれないということが、こんなにも恐ろしいなんて。

「らしくないぞ、って言ってくれよ。局長」

 軍団のボスが。こんなに臆病なのは、ゾーヤじゃないと。

「にゃ……?」
「ん、どうした?」
「にぃ、にゃう」

 猫がこちらの腹辺りから這い上がるような仕草をしてくる。

「ずいぶんと甘えん坊じゃねえか。最初は抱っこ、嫌がってたくせに」

 嬉しいような、悲しいような。
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