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#探索者
MuRiMi_de_sinu3年前cocの自探索者の創作。シーのトイ〇ニ。
レヲ(妹)ゲーム実況者。明るく元気でエネルギッシュ。
ユキ(兄)プロのeスポーツプレーヤー兼ストリーマー。クールで気だるげ。ゲームへの愛は熱い。
自創作、見せるところがないからやる気が起きないぴえんぱおん
最後の連射ゾーンで全力を出しすぎたかもしれない。レヲは、ジンジンと熱を持つ右腕を軽く振る。しかしその腕の疲労感は、同時にレヲに達成感を与えるものでもあった。

( 絶対自己ベストいった……! )

確信に近い予感だった。ドキドキしながらスコアの結果が表示されるのを待つ。ほんの少し間を置いて、レヲとユキの間にあるモニターの画面が切り替わった。
23万点。数字の隣にはデフォルメされた絵柄の鹿がいる。上から2つ目のランクのスコアだ。最高ランク──熊には到達できなかったが、20万点の大台を越えられたのはこれが初めてだ。確かな満足感を得て満面の笑みのレヲ。さて、兄は一体どれだけのスコアを叩き出したのか。自分のスコアの左へと目を向け、その数字を確認した。

「 よ、44万点!? 」

その点数を見て驚愕するレヲ。左隣で腕を振っている兄は、腕の疲れをとるのに夢中で自分のスコアに気づいていないらしい。レヲは慌ててスマホを取りだし、兄の手と自分の手をスコア表示と共に画面に収めて写真を撮る。そして、今まさに通り過ぎんとしている『キミたちのベストスコア』とポップな書体の文字が踊るモニターを指さした。

「 兄貴ちょっと見てって! ほらこれ兄貴のスコアだよ!? 『1時間のベスト』から『今月のベスト』まで全部総ナメ!! 」
「 あ? ……おお、マジじゃん。やったわ。」
「 さすがすぎん!? うちの兄貴マジ天才、最強じゃん! 」

キラキラと子供のように目を輝かせて兄を見る。昔からこの兄は、ゲームというステージにおいてヒーローのような存在だった。たくさん負かされて泣かされてパシられて、何度も悔しい思いをしたことはあるが、ユキの鮮やかなゲームプレイは悔しさよりも憧れと感嘆の気持ちをレヲに抱かせた。それは今もそうで、レヲは溢れんばかりの尊敬と羨望を兄に向ける眼差しに込めている。

「 ……俺より喜んでんじゃん。」

指先で3Dグラスを弄び、ユキは苦笑する。無愛想でクールな兄がいつもよりよく笑っているのは、夢の国の力だろうなと思う。ありがとう夢の国。黒いネズミのマスコットを脳内に浮かべ、大量の捧げものを贈るレヲだった。
そんなこんなで車体は降り口へと到着し、キャストが笑顔で降車を促している。先に降りたユキが振り返って手を差し出す。その手を掴み、ゆっくりと進み続けている車体から軽やかに降りた。

「 ね、さっきの写真Twitter載っけていい? 」
「 反射確認してからな。」
「 それはモチロン! 」

3Dグラスを回収口に落とし、レヲは早速スマホを操作する。先程撮った写真をチェックし、映り込みがないことを確認してから、SNSの『0』名義のアカウントを開く。この興奮を140文字以内でどうフォロワーに表現しようかと思考を巡らす。打っては消し、打っては消しを繰り返し──最終的に、『強すぎる〜〜!!!!』というシンプルな感想に、泣き笑いの絵文字を添えて投稿した。タイムラインの1番上に投稿がきちんと表示されたのを見て、レヲはアプリを落とす。こちらの様子を見ていたユキにサムズアップすると、スマホの画面をスワイプし、テーマパークの電子マップを出した。

「 次どこ行く? 」
「 お前の行きたいとこでいーよ。」
「 タワテラ! 」
「 こんだけはしゃいだ後によく行けるな…… 」
これ好き! 好きすぎる!