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#幼馴染
もちむぎえだまめ3年前某所で合作的に創造されたオリキャラ幼馴染BLの導入。このナポリタンが甘酸っぱいのはケチャップのせいだけじゃないと思うんですけど(名推理)「――お疲れ。早く昼メシ食わないとすぐ休み時間終わっちゃうぞ」
「あ、うん……大丈夫だよ。気にしてくれてありがとう、つなぐ。これ書き終わったらちゃんとお弁当食べるから、あともう少しだから……」
「……青夜、毎回言ってるけどさ、学級日誌なんてちゃちゃっと書けばいいんだぜ? お前ムダに丁寧に書いてるから、昼メシいつもギリギリじゃん。――ほら、ツナサンド半分やるから、書きながら片手で食え」

***
「ふふ……つなぐがツナサンド。共食いだね」
……よし、ウケ狙いチョイス成功。本当はカツサンドの方が食べごたえあって好きだけど、今日はツナにしといてよかった。
「じゃあ、ありがたくいただくね。よければあとで僕のおかずとご飯――」
「ほらほら黙って食え黙って食え、ちゃんと手も忘れず動かせー?」
こくこく頷き、むぐむぐ食べて、さらさら書いて――たまにうんうん考えて。
日誌を書いてる青夜の様子は、なんていうか――ずっと見てられるな、と思う。あ、鎌倉にいるリスとか、そういうのに近いかも。……小動物系って見た目してないけど。
青夜、普通に男だしな。ちっちゃくもなく、デカくもなく……強いて言うなら……うーん、美人? いかにもイケメン! って感じじゃないけど、肌も髪もキレイだし、落ち着いててニコッとしてて……ひっそりモテてそうだよな。優しいし、勉強できるし。ちょっと地味かもしれないけど、話すとめちゃくちゃ良いヤツだし……。
「……つなぐ? えっと、どうかした……?」
――眼鏡越しの青夜の両目が、きょとんと俺を見つめている。
……なんかカワイイ。瞬間最大風速、そこらの女子より高い説ある。
「――いや、あー、えーと……ゴメン、なんかガン見しちゃって……。う゛ー、せっかく見張りに来てやったのに、俺が邪魔してどうすんだって……」
「ううん、おかげさまで捗ったよ。つい、先に終わらせてから――って思っちゃうけど、やっぱりご飯食べないと駄目だね」
もそもそ。そんな効果音がしそうな動きで、青夜がカバンの中身を漁る。……大丈夫かコイツ、家に弁当箱忘れてないだろうな。
「あった、割り箸! この間コンビニで余分に貰っちゃったから、袋に入れて取っておいたんだよね。……えっと、どっち使う? 心配だったらこっちの――ケースのお箸使っていいよ?」
「お前は普通にプラスチックのケースの使え。んで、割り箸は取っとけ。……なんと俺には爪楊枝がある」
「……――あ、今日まるごとナポリタンだ」
「え!!?」
青夜の母ちゃん、なんて手の込んだことを!
よりによって箸いらない宣言の直後に――……うわ、これすごいな、明らかに手作りだよな? ウインナーがタコになってるし、ピーマンも花の形みたいな切り方されてるし……。いいな、ちょっと写真撮らせてもらお。
「――ふふ、爪楊枝でいける? これ」
「えーと…………………………タコだけもらうわ」
「僕もタコさん食べたいんだけどなぁ……。
――あ、そうだ」
なにか思いついた表情をして、青夜が箸で麺をつまむ。
顔の前まで持ち上げて、そのまま口へ運……ばない?
「つなぐ、口あけて?」
「え」
「そのままじっとしててね……いくよ、あーん」
「え? あ、…………んむ」
口に広がるケチャップ味。
ニコニコ微笑む青夜の顔。
……甘酸っぱい。ピーマンの苦味もうっすらあるけど、甘酸っぱさが断然強い。てか、むしろ甘いまである。……でもこれ、悪くないな。
「どうかな。うちのナポリタンって少し甘めの味付けだから、もし物足りなかったらごめんね?」
「いや…………いいと思う、これはこれで……。なんか――青夜、愛されてんな」
「……ふふ、そうだね。実際の歳より子供に見られてる気はするけど――それも含めて『愛してる』とか『愛されてる』ってことなのかもね」
……育ちが良い、ってこういう人を言うんだろうな。
たぶん分かりやすい反抗期とかもなく「親に愛されてる」ってフツーに思えて……おまけに食べ方もなんか上品で。……ホント箸の使い方上手いよなこいつ。
「あ、おかわりいる? ……そうだよね、足りないよね。――いいよ、また口あけて?」
「……あ、いや、そういうワケじゃ……」
――また無意識に見ちゃってたなとか思いながら、誤魔化すみたいに口を開けた。
きゅんとした