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秋夜ゆん7/29 21:08進捗!何度か化物が起こした毒々しい突風に吹き飛ばされながらも、リンクは化物の顔部分を狙って剣を突き立てる。白いリト族とリーバルが空中から木の矢とバクダン矢を交互に降らせ、絶妙な連携を図るのを、二人は初対面のはずなのに連携がとれているのはやはり同族だからかと羨みながら、リンクはリンクの出来る事をと化物の懐へ飛び込んで斬りつけた。
 後方へ飛躍したリーバルが空へ矢を撃つ。弧を描いて化物へと落ちていくバクダン矢は、リーバルがばさりと翼を振ると同時に怒涛の爆音を轟かせた。ちらと寄越された視線に気づき、リンクは背中へ剣を納める。弓をとり、地を強く蹴って空中へ飛び上がり、キリキリと狙いを定めて矢を放った。渾身の力を込めた矢は、化物の目を貫いた。
「よし、やったか!?」
 化物の動きが苦しげに軋み、蒼い光が化物を包んで、消えた。周りを見渡しても化物の姿はなかったが、とどめを刺した感覚はリンクには無い。警戒を解かずにいれば、同じく周囲を窺っていたリーバルが首を振った。
「……いや、逃げただけみたいだね。まあとりあえず、この場は切り抜けられたかな」
 弓を背中へ戻したリーバルに同意するよう頷いて、リンクも弓を戻す。一息つくと、白いリト族が親しげに声をかけてきた。
「リンク! お前が来なかったら危なかったぜ。こうして一緒に戦えるなんてな」
 ぱちりと目を瞬いて、リンクは一歩後退った。リンクの事を知っていると言うような、以前にも一緒に戦った事があるような話しぶりはユン坊と似ているが、初対面の相手から一方的に親しげにされると少し戸惑う。
 そういえば、ルージュにも初めましてとは言われなかった。どうして皆、リンクを知っているのだろう。
「君もなかなかやるじゃないか。ま、僕ほどじゃないけどさ」
「英傑様にそう言っていただけると、今までの鍛錬が報われますね」
 リーバルが口を開くと、白いリト族は嬉しそうにリーバルの元へ歩いていく。少しほっとしながら、リンクは二人を眺める。彼も未来からの救援者ならリーバルと会うのは初めてなはずなのに、まるで村の仲間のように、年の離れた友人のように、お互いを認め合う師弟のように仲睦まじい。
 リーバルは得意そうに笑いながらリト族と話している。リーバルが生きていて、本当に良かった。そう思う気持ちは本当なのに、リンクの知らない同族と笑い合う姿を見ていると腹の底がぐるぐるする。生きているだけでいいのに、隣にいきたいと、リーバルと笑い合いたいと、次々に我侭がこみ上げる。
 この自分本意な気持ちはどうすれば消えるのだろう。並ぶ姿に違和感のない二人を見つめ、じくじくと痛む胸元を握る。深く深く息を吐いて、白いガーディアンの力によってヴァ・メドーへ乗り込んだゼルダの元へとリンクは足を動かした。



 英傑全てを救出する事ができ、特に旧知の仲であるウルボザの無事にゼルダは安心したように笑った。相変わらずのリーバルから、いないよりはマシだったんじゃないと捻くれた遠回しの感謝を受け取り、リンクもそっと目を細める。
 ウルボザとリーバルの元にも、やはり未来からの救援が来ていた。未来のゲルド族長であるルージュに、リトの戦士テバ。二人が救援に駆けつけてくれたお陰で、ウルボザとリーバルの救援に間に合ったのだ。
 未来では厄災に乗っ取られた神獣の中で英傑も戦死したと聞かされ、ゾッとする。ユン坊と、ミファーの弟であるシドの様子から薄々感づいてはいたが、本当に危ない状況だったのだと肝が冷えた。
 ゼルダがハイラル城陥落を伝えると、ウルボザは顔色を変え、リーバルはばさりと空へ急浮上し、メドーの上から西部周辺を見渡した。ハイラル城から押し寄せるガーディアンの大群を見つけ、降りてきたリーバルは「あれはメドーで迎え撃とうか」とゼルダへ指示を仰ぐ。
 ウルボザと顔を合わせたゼルダは頷き、では西部はリーバルに任せて私達はアッカレ砦へ向かいましょうとインパとリンクへ指示をする。
 アッカレ砦は、厄災の手に落ちたハイラル城から落ち延びた兵士達が周囲を魔物に取り囲まれ籠城している。一足先にミファーとシドがヴァ・ルッタで救援に向かっているが、砦を守り抜くにはまだ手は足りない。堅牢と名高いアッカレ砦が陥落すると、ハイラル軍やハイラルの民の士気に関わる。アッカレ砦だけは守り抜かねばならない。
 ヴァ・メドーから降りていくゼルダをインパに任せ、リンクは走った。空へ飛び立ったテバを見送り、メドーの制御装置へと飛んでいこうとするリーバルへ手を伸ばし、青い英傑の証を軽く引く。気がついて翼をとめたリーバルの背中へ、リンクはぐわっと頭を振りかぶった。
「ぐッ! なんだよ一体!?」
 ごつんと大きな音がして、リンクの額がリーバルの背部の鎧へぶつかる。額がじんじんと痛むけれど、リンクは背中へぐりぐりと額をこすりつけた。いつかの、二人で暮らした家でのように。
 リーバルは驚いたように、けれど嫌そうな声色で離れろと言う。翼を振り回してリンクを引き離そうとするのと、リンクが口を開いたのは同時だった。
「肉おにぎり」
「おい離れ、……は?」
「食べたい。肉おにぎり」
「!」
 察したらしいリーバルは押し黙る。これで、伝わるだろうか。リンクの後悔。また離れる前に、お互い生き残る事ができるか分からない中で、どうしても伝えておきたかった仲直りの意志。仲違いしたまま一生会えなくなるのは、嫌だった。
 長い沈黙のあと、リーバルは乱暴にリンクを振り解く。数歩下がったリンクへ視線すら寄越さない。
 それが、リーバルの答えか。先にリーバルがわざわざ肉おにぎりを作ってくれたというのに、それを受け取りもしなかったのはリンクだ。それなのに生死を意識した途端すり寄ってくるなんて、今更虫が良すぎるとリーバルが怒るのも無理はない。
 リンクはぐっと唇を噛み締め、踵を返そうとしたけれど。
「……君は、微妙な料理でも食べてれば」
 はーーっと腹の奥からいろんな感情のこもった息を吐き出したリーバルは、そっぽを向いたままそう言った。すぐにぴんとくる、いつか交した会話と同じだと。
「……俺は、肉おにぎりがいい。リーバルの作った」
「ヘェーあっそう。この前折角作ってやったのに受け取りもしなかったのは、一体どこのどいつだろうね」
「今度は食べる。ちゃんと。だから、また作ってほしい」
 そう伝えると、リーバルはリンクを見た。煌めく翡翠は嫌悪の色を湛えていない、リトの頃と同じ翡翠。リーバルはつかつかと近寄り、リンクの鼻先に羽先を一本突きつける。
「条件が一つ。この戦いが終わったら、なんて言わないさ。時間ができたら僕と話をつけろ。いいね」
「話」
「あるだろ、お互いに。話さないとならない事が」
「……」
「ま、それまでに君がくたばらなければね!」
 フンと鼻を鳴らしてメドーの制御装置へと歩き始めたリーバルの背中へ、頷き返した。
「ん。リーバルも」
「ハッ。誰に言ってるんだか」
やっちゃいましょう!行ける気がする!頑張って!
頑張って!
応援してる!
待っている!いつまでも!
やっちゃいましょう!
大丈夫......!
そういうときもある!
行ける気がする!
落ち着けっ!
いつもありがとう!
きっとうまくいく!
大丈夫!
どんな道も正解だから
負けないで!
一緒に頑張ろう!
後悔させてやろうよ!
明日はきっとよくなるよ
のんびり行こう!
人は変われる!
なるようになる!
頼む、続きが読みたい!
この本欲しすぎる
これ好き! 好きすぎる!
ありがとう、これで今日も生きていける
発想にすごく引き込まれた
いや、十分すごいよ!
ぐはっ😍
おお〜😲
うるる😭
なるほど
それいいね!
共感する
響くわ〜
マジ天使
天才!
エロい!
神降臨!
素敵
かわいい
きゅんとした
泣ける……
ぞくぞくした
いいね
待っている!いつまでも!
いつもありがとう!
わかる、わかるよ……
苦しいよね
悩むよね
確かにね
その通り!
もちろん!
激しく同意
わかりみがすごい
お前は俺か
そうかもしれない
大変だよね
うん、うん。
そうだね
そう思う
そうかも
それな
うるる😭
大丈夫......!
そういうときもある!
なるほど
共感する
大丈夫!
のんびり行こう!
泣ける……
おめでとう!
やったぜ!
やるじゃん!
エライ!
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