こそフォロ タイムライン フォローリスト ジャンル すべて 男性向け 女性向け その他一般
rinsagiri3/4 23:00ロノアロ本の進捗(はちゃめちゃに雑なお約束の導入をしている、いかがわしい話の前振りの続き)「はー……あったかくて気持ち良いですねえ」
 湯船の中に浸かっているアロケルは、気の抜けそうな声を上げている。その呑気な様子はいつものアロケルだ。安心したように、ロノウェも身体をお湯に浸ける。部屋に用意されているバスタブよりも、共同浴場は広いので身体を伸ばしやすい。十八歳という年齢になっても、未だ成長を続けるヴィータ体ではだんだんと窮屈になって来たところだ。
(そういえば、年齢は二つ違いだが……身長はほとんど同じくらいなんだよな)
 纏う空気がふわふわしているせいか、普段はあまり意識することが少ないが、アロケルも年頃の少年らしくそこそこ身長がある。ロノウェの方がやや高いものの、成長次第によっては追い越される可能性もあるだろう。何となく、想像がつかないが。
 そんなことをぼんやりと考えながら湯に浸かっている間も、アロケルはやけに大人しい。カラスの行水よろしくさっさと上がっていくのかと思ったが、身体は湯船に沈んだままだ。身体の半分……いや、顔の半分くらいがお湯の中に消えている。俯き加減のアロケルの頭はこくりこくりと上下左右に揺れていてーーいや、待て!? これ、まさか寝てるんじゃないだろうな!? とその可能性に思い至った瞬間だった。バシャン、と盛大な音を立ててアロケルの身体がお湯の中に沈む。
「おい! アロケル!」
 返事はなかった。お湯の中に沈んだ身体を引っ張り上げ、肩を貸して必死に湯船からアロケルを連れ出す。ぐったりと力の抜けた身体は重たく、いくらロノウェに力があろうとも決して容易ではない。それでも、何とかロノウェは共同浴場から彼を連れ出し、長椅子に寝かせた。湯上がりの肌は赤く色づいており、いつものようにただうたた寝しているだけのように見えるが、意識は戻らない。溺れてお湯を飲んだのか、のぼせて意識が朦朧としているだけなのか、素人には大丈夫だという判断がつかなかった。とりあえず、のぼせたのが原因ならば冷やした方がいいだろうと水に濡らしたタオルを絞り、身体に当てる。
 恐る恐る頬に触れると、ゆるゆると重たい瞼が持ち上がり、「……あれ?」という小さな声がアロケルの唇からこぼれ落ちた。
「大丈夫か? 気分は悪くないか?」
「あー……寝て、ました。あったかくて、気持ちが良かったので、気が抜けて……すやっと。たまにやっちゃうんですよねえ」
 ふわあ、と欠伸をこぼしながら、アロケルは目を細めてへにゃりと笑った。ロノウェは肩を落とし、長い息を吐く。
「大丈夫なら、良かった」
 辛うじて絞り出せた言葉は本心からのものだ。
「でも、心臓に悪いから風呂の中で寝落ちするのはやめてくれ」
「アハハ! 心配かけてすみませんでした〜」
 本当に反省しているのか疑いたくなるような軽い態度だった。気をつけるという言葉もないため、また同じことを繰り返す可能性が高い。けれど、小言を述べてもサラリと流されるのは簡単に予想がつく。次があれば気にかけておこう、くらいで済ませておく方が精神衛生上良い。
 のろのろと身体を起こしたアロケルは、若干まだふらついている。眠そうにフラフラと身体が傾いているのはいつものことではあるが、危なっかしい。まるで小さな子供を扱うみたいに、濡れた髪や背中を拭うなど、頼まれてもいないのに思わず世話を焼いてしまった。アロケルはというと、「わあ、ありがとうございます。自分でやらなくていいなんて、楽でいいですね〜」と、ふざけたような台詞を吐く。自堕落にも程があるだろう。呆れながらも、今日だけ、今だけと言い聞かせながら手早く作業を終わらせる。自分を後回しにした分、少し身体が冷えてしまった。ロノウェが自分の髪と身体を拭いていると、アロケルは着替えもせずにその様子をじっと見つめている。
「どうした?」
 緑の目を瞬かせ、困惑しつつロノウェが尋ねる。
「いえ、ロノウェさん、髪の毛が下りてると随分印象が変わるんだなあって」
「そうか?」
 いつもは前髪を上げて後ろに流し、額を見せるオールバックの髪型だが、風呂上がりは前に下りてくる。前髪があるかないかで多少与える印象は変わるとは思うが、そこまで違うものだろうか。
「結構違いますよ。それに、髪の毛のクセもなくて、楽そうでいいなあ。ボクの髪、あちこち跳ねちゃって面倒なんですよ」
「確かに、アロケルの髪は結構ボリュームがあるよな」
 そんなやり取りをしながら着替えを終えて、二人は共同浴場を後にする。
「何だかいつも以上にフラフラしてるけど、本当に大丈夫か?」
「大丈夫ですよ〜。お風呂上がりで眠いだけです! 喉が渇いたので何か飲みませんか?」
「ああ、いいよ」
 さっき溺れかけたアロケルをひとりで行かせるのは気になるし、ロノウェ自身も喉が渇いているから、付き合うのも問題ない。
 辿り着いた食堂の中をぐるりと見渡してみれば、やけに静かだった。誰か人がいるかと思ったが、生憎みんな出払っているようだ。食事の時間はとっくに過ぎているので当たり前かもしれないが、いつもなら酒を飲みに集まっている面子が一人や二人いるのだが、それも見当たらない。
 ーーまあ、そんな日もあるか。
 視線を前に向けたその時だ。
「ロノウェさん?」
 不思議そうに小首を傾げたアロケルが、ロノウェの顔を覗き込んだ。かと思えば力強く親指を立て、ロノウェに向けて得意げにウィンクを送る。
「もらっちゃいました〜! ロノウェさんもよければどうぞ!」
 アロケルは腕の中に抱え込んだ飲み物の小さなボトルを差し出し、にっこり微笑む。
「あ、ああ。ありがとう」
 ボトルを手渡され、思わず受け取る。ラベルには何の記載もない。よっぽど喉が渇いていたのか、アロケルは既に蓋を開けて、勢い良く中身を飲み干していた。ロノウェも釣られるように中身を口にする。
「ん……? 何だ、これ……? 妙な味……じゃないか?」
「そうですか?」
 きょとんとした顔のアロケルは、平然と飲み物を口にしている。先程までは気づかなかったが、喉の奥に残る液体の味はやけに甘ったるく、まるで薬みたいな匂いがする。ジュースかと思って口にしたが、果実の味はまったくしない。
「アロケル、さっきもらったって言ってたけど、これ、一体誰からだ? おかしなものじゃないよな?」
 浮かぶ疑念、よぎる不安。今更どうにもならないが、持っていたラベルをテーブルの上に戻した。頬を引き攣らせつつ、悪い予感を振り払おうと、ロノウェは笑みを取り繕いながら尋ねる。だが、満面の笑みを浮かべるアロケルは、ロノウェの不安を吹き飛ばすどころか、「……さあ?」と不穏な爆弾を更に落とした。
「さあ?って、おい! 何で疑問系なんだ!?」
 焦るロノウェは思わずアロケルの両肩を乱暴に掴む。
「テーブルの上に置いてあったので勝手にもらっちゃいました! 誰のものかなんて書いてなかったし、食堂に置いてあるんだから悪いものじゃないですよ多分! アハハ!」
「怪しさしかないだろう!? ちょっとは疑ってくれ! 何故躊躇いなく飲んだんだ、そして何故それを俺に飲ませようとした?!」
 掴まれた肩ごとゆさゆさと上下左右に身体を揺さぶられながら、アロケルは能天気に笑っている。
「それだけ騒げるんですから問題ないですよ、きっと! おかしなところもないでしょ? さっさと部屋に戻って寝ません……」
「あれ? 君たち、もしかしてここに置いてあったボトルの中身、飲んじゃったのかい!?」
 部屋に戻って寝ようと言いかけたアロケルの言葉は、途中で横合いから割り込んで来た大きな声に遮られた。何故かやけに嬉しそうに思える声だった。嫌な予感がして振り返ると、そこには黄金郷の原石の輝きに似た髪色の青年が立っている。髪と同じ色の瞳は好奇心旺盛に輝いていて、身を乗り出さんばかりにこちらへと真っ直ぐに近づいてくる。
「……アンドラス、もしかして、これは」
 アロケルの肩から手を離したロノウェは、テーブルの上からボトルを持ち上げて、恐る恐るアンドラスに見せる。
「ああ、やっぱりだ! 丁度良かった、被験体を探す手間が省けたよ。協力ありがとう! 後で経過を観察させて欲しいな」
 満面の笑み、恍惚とした表情。そんなものを前にして、中身が何か、などとは恐ろしくて聞けそうになかった。「どうしてよりにもよってこの医者の持ち物に手を出したんだ!?」と叫び出しそうな気分だったが、ロノウェは頭を抱えたまま言葉を必死に飲み込む。
「あれ? もしかしてこれ、飲んだらヤバいヤツでした? アハハ!」 
「笑って誤魔化そうとしても遅いからな!?」
 一切の反省の色なく、アロケルが能天気な笑い声を上げる。鋭いツッコミを間髪入れずに叩き込み、ロノウェが叫んだ。思案するように顎に指を当てる、アンドラスはにこやかに微笑みを浮かべたままだ。
「いや、それがさ、まだ分からないんだよね」
 そして、アンドラスは大変にこやかな笑みを崩さないまま、両手を広げてこう言った。
「……分からない?」
「うん、それ、最近王都でばら撒かれてる、出自も効果も定かでない怪しい薬らしいんだよね。成分分析して欲しいって言われてさっき預かったばかりで、まだ何にも解析出来てないんだ。やったね! 君たちが最初の被験体だよ。気分はどうかな? 気持ち悪かったり、変な感じはしない? 身体に違和感とかあったらすぐに教えて欲しいし、出来れば解剖させて欲しいな!」
「うわあ」
 さすがに能天気なアロケルも、ここに来て事態の重さをようやく理解したのか、嫌そうな顔をして後ずさった。しかも、ちゃっかりロノウェを盾にして、その後ろに隠れようとしている。
「最悪じゃないか……何でそんな危険で怪しいものをこんなところに置いたんだよ……」
「臨床試験をしてみたかったんだけど、自分で飲んで試すだけじゃ詳細なデータが取れないし、状態によっては経過観察・記録も難しくなるかもしれないからどうしようかと考えてたとこだったんだ。食堂の目につく場所に置いておいたら、あわよくば誰かが酒やジュースと間違えて飲んでくれないかなあ……って思ったわけではないよ? 単純にただの置き忘れさ」
「本当か?」
 どうにも冗談に聞こえない。理由がどうあれ、どちらにしろ迷惑極まりなかった。
「どっちでもいいじゃないですか。飲んじゃったものは仕方ありませんし。……ふわあ、とりあえず眠いんで、ボクは部屋に戻って寝ます」
 重たそうな瞼を擦り、アロケルは大きな欠伸をしながらそう言った。アロケルの顔をじろじろと見回すアンドラスは、露骨にガッカリした顔をしている。
「あれ、本当に何ともなさそうだね? 飲んだ量が少なかったとか、アロケルに耐性があって効果がないとかなのかな? うーん、気になるなあ。経過を観察したいから、寝るなら二人とも医務室のベッドにして欲しいんだけど……」
「あそこ、薬臭いから嫌です。ボクは気持ち良く寝たいので」
「待て、そっちはキミの部屋の方向じゃないぞ! 本当に大丈夫なのか?」
 ふらふらとした足取りで歩き出そうとするアロケルの向かう方向は、自室とは真逆だ。
「……? 合ってますよ、ロノウェさんの部屋。こっちですよね?」
「……まだ俺のベッドを占領するつもりだったのか」
 風呂に入るまでのやり取りで有耶無耶になって諦めてくれるの期待していたが、そう上手くはいかなかったようだ。ロノウェは肩を落とし、項垂れる。
「やだなあ、さっきベッドで寝ていいって言ってたじゃないですか、ボクは自分に都合の良いことは忘れませんよ!」
「忘れてくれ頼むから」
 親指を力強く立ててヘラヘラと笑うアロケルを、じろりと睨む。やけにアロケルのテンションが高いが、強く抗議をする気力が無かった。
「二人纏まってた方が都合が良いんだよな? コイツは俺の部屋を占領するつもりみたいだから、何かあったら医務室まで行くよ。俺はアロケルほど中身を飲まなかったから、影響があっても大したことはないと思う。今のところは、だけど」
「分かったよ。でも、後から何らかの症状が出ないとも限らないし、経過観察はさせてくれないかな?」
「ああ、そこはちゃんと協力する。アロケル、面倒くさがって逃げるなよ?」
「うわ、面倒だなあ」
ありがとう、これで今日も生きていけるいつもありがとう!天才!応援してる!待っている!いつまでも!
頑張って!
応援してる!
待っている!いつまでも!
やっちゃいましょう!
大丈夫......!
そういうときもある!
行ける気がする!
落ち着けっ!
いつもありがとう!
きっとうまくいく!
大丈夫!
どんな道も正解だから
負けないで!
一緒に頑張ろう!
後悔させてやろうよ!
明日はきっとよくなるよ
のんびり行こう!
人は変われる!
なるようになる!
頼む、続きが読みたい!
この本欲しすぎる
これ好き! 好きすぎる!
ありがとう、これで今日も生きていける
発想にすごく引き込まれた
いや、十分すごいよ!
ぐはっ😍
おお〜😲
うるる😭
なるほど
それいいね!
共感する
響くわ〜
マジ天使
天才!
エロい!
神降臨!
素敵
かわいい
きゅんとした
泣ける……
ぞくぞくした
いいね
待っている!いつまでも!
いつもありがとう!
わかる、わかるよ……
苦しいよね
悩むよね
確かにね
その通り!
もちろん!
激しく同意
わかりみがすごい
お前は俺か
そうかもしれない
大変だよね
うん、うん。
そうだね
そう思う
そうかも
それな
うるる😭
大丈夫......!
そういうときもある!
なるほど
共感する
大丈夫!
のんびり行こう!
泣ける……
おめでとう!
やったぜ!
やるじゃん!
エライ!
いや、十分すごいよ!
おお〜😲
うるる😭
いつもありがとう!
神降臨!
頼む、続きが読みたい!
この本欲しすぎる
これ好き! 好きすぎる!
ありがとう、これで今日も生きていける
発想にすごく引き込まれた
頑張って!
応援してる!
待っている!いつまでも!
わかる、わかるよ……
やっちゃいましょう!
おめでとう!
やったぜ!
いや、十分すごいよ!
やるじゃん!
ぐはっ😍
おお〜😲
うるる😭
大丈夫......!
そういうときもある!
なるほど
それいいね!
行ける気がする!
落ち着けっ!
苦しいよね
悩むよね
確かにね
その通り!
もちろん!
激しく同意
わかりみがすごい
共感する
響くわ〜
お前は俺か
そうかもしれない
大変だよね
うん、うん。
そうだね
そう思う
そうかも
いつもありがとう!
きっとうまくいく!
大丈夫!
どんな道も正解だから
負けないで!
一緒に頑張ろう!
後悔させてやろうよ!
明日はきっとよくなるよ
のんびり行こう!
人は変われる!
なるようになる!
マジ天使
天才!
エライ!
エロい!
それな
神降臨!
素敵
かわいい
きゅんとした
泣ける……
ぞくぞくした
いいね