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フォローする おーとり 辺境のどこかで夢小説を書いています。
自分でも書いたのを忘れていた書きかけの話が出てきたので供養
夢小説ですが夢主の名前は出ていません
お相手は理想を壊して現実へ帰るRPGの完璧超人
「あの、琵琶坂さん。良かったら甘いものでも召し上がりませんか」
そう誘われ、出てくるものがまさか缶に入ったドロップなどと、一体誰が予想するだろうか。
一体今は西暦何年だ。こんな時代錯誤も甚だしい代物、映画の中でしかお目にかかったことがないなと琵琶坂永至はぼんやりと考える。戦火に巻き込まれた兄妹が惨めに死んでいく某作品では、悲哀を際立たせる演出として効果的に使用されていた記憶がある。
放課後が訪れてしばらく経つが、帰宅部の部室にいるのは自分と彼女の二人だけ。何かあったのか、今日はやけに集まりが悪い。閑散とした空間の中で、少女の手の中にある缶がカラカラと喧しい音を立てた。
「それは──どうしたんだい。まさかと思うが、メビウスにはそんなものも売っているのか?」
「いえ、売ってはいるのかもしれないですけど──これは、私が買ったものじゃないんです。今朝、学校に来るバスの中で貰ったもので」
「貰った?」
「途中で乗ってきたお婆さんに席を譲ったら、お礼にって。今これしか持ってないからって仰ってました」
理解に苦しむ。
まずは、こんなものを所持していた老婆に。礼として菓子を渡すにしたって、普通は個包装の何かにするものじゃないのか。
そして、その老婆に席を譲った彼女に対してだ。何しろここは現実じゃない。生きている人間は老いも若きも高校生の姿になる常若の国だ。ということは、彼女が出会ったというその老婆は──
「そのお婆さんは、NPCだったんだろうに──席を譲ってやったのかい」
「え──そうですね。でも、荷物たくさんお持ちだったから、大変そうだなって思って」
事も無げにそう口にして、彼女は大きな瞳を瞬かせた。
優しいんだねと評価するべきか、君は馬鹿かと罵るべきか。迷った挙げ句、結局琵琶坂は「そうかい」と無難な相槌を打つに留まった。
これで彼女の言動に一切裏がないのだから恐れ入る。命なき存在に席を譲るなんて、自分だったら絶対にしない。仮に相手が困窮や苦痛を訴えていたとしても、それはプログラミングされた言動を繰り返しているだけだ。彼らは感情を持ち合わせていない。
自分にない善性を持つ人間だということは常々心に留めているつもりだが、それでもこういう時は彼女のことが分からなくなる。そうやって文句の一つも言わないから傷つけられて、こんな世界に来る羽目になったのではなかったか。
そうやって誰彼構わず善意を振りまいていたら他人に付け込まれるだけだと、柄にもなく忠告してやりたくもなったが、やめた。それを進行形で実行しているのは、何を隠そう他でもない自分なのだ。
頑張って!
徒に製作途中の話を増やしていってしまっている。とりあえずどれかひとつでも終わらせろ自分わかる、わかるよ……ワンライ書けた!アウトプットしたい期に入ってるみたいなので、今のうちにどんどん書きたい応援してる!長い話を書けるようになりたい。一万字超えたことがまだない。短くまとめる能力があるのではない、
長い話を構成する力がないのだ
わかる、わかるよ……
自サイトの拍手、ポチってもらえるだけでも勿論嬉しいけど、正直「待って下さい!せめてお名前だけでも!」と追い縋りたくなるわかる、わかるよ……