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#ワンピ
innwnwn2年前常勝神話小ネタ、ワンピース二次
やる気のなさがすごく凄い。戦争物はすごく悩む。最後は決まってるのに、そこに行くまでが長い長い。ヒィ…。
夜の帳、落ちた消し炭、届かぬ声は惨状を招く。

雲をも溶かす業火に島は飲まれ、焼け落ちた看板は歪み、逃げ惑っていた島民もいつの間にやら消え去った。無事に逃げきれたのか、もしくは瓦礫に飲まれ焼き消えたかは分からないが、唯一形を保つ噴水広場には銃声以外に聞こえない。

島の観光名所であった大灯台は崩れ落ち、瓦礫となって海に沈んだ。この惨状を引き起こした原因であるハインは指揮官然として、物凄い形相で睨んでくるドーベルマンを出迎えた。既に抜刀状態の海兵はグルルと唸りつつ、斬り掛かるタイミングを見計らう。

「お望みでしょ?私は無関係な島を襲い平和を壊す。そうすれば貴方達はヒーロー面して参上し、綺麗な愚論を高々と謳う。得意げに正義を貫いて、選ばなかった故に生まれる不利益は知らん振り。誰かがやらないと終わらないのに、綺麗事しか触りたくないと?折角選択肢があったのに。」
「で?お前は仕方なく悪役を演じている悲劇のヒロインだとでも主張したいんか?こんな嬉々として街を燃やしまわっているのに?」
「…嬉々として?」

吐き出される紫煙が黒煙に混ざり、変色した夜空へ消えていく。冷たい風が炎を煽り、島の隅から隅までを飲み込み尽くす。

「嬉々として危険を冒し、長年連れ添った仲間を死地に送っては笑っていると、そう言いたいのですか?」
「笑っておったろう。」
「自分の感情も、表情も、コントロールできない状況が理解できますか。薬に頼らないとストレスでどうにもならないのですよ。それでも言葉を飲み込み、親も仲間も諦めた上で万人の未来を確約しているのです。分かりますか?万人の平和、その為に身を削る我々の…私達の…望みの薄さ…。」

生きていたかったのに。
諦めきれない未来のために、今を燃やして数ヶ月。煙草を吸わねば呼吸ができず、寝ても醒めても人が死ぬ。誰かに助けを乞おうとしても、それは…もう、言えない言葉。助けての一言が許される時期は過ぎ去った。

「凡々揃いが玩具の正義を振り回して、さぞや楽しいことでしょうね。ヒーローはいつだって肯定される。今後もそうあって下さいね。」