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sugarstone_07
@sugarstone_07
これからエフェクトを二人で考えるシーンとこれを手紙に応用するシーンがあったらいいな いいなってかんじ
はしりがき
12/27 13:16
「オレは2体のレベル4モンスターでオーバーレイ!我が怒りよ、吹き荒れろ!《竜巻竜》!!」
二枚のモンスターカードが重ねられ、EXデッキから新たなモンスターをエクシーズ召喚する。
エクシーズモンスターの黒いカードの上には光の渦が現れ、宙には《竜巻竜》のイラストが浮かび上がった。
オーバーレイユニットを表す光が《竜巻竜》のイラストを中心に旋回しはじめる。
「……!すごいな、これが言っていた演出か?」
ゼトは披露されたエフェクトに感心し、思わず呟く。
「そうだぜ、やっぱりテーブルデュエルでも派手にやりたいだろ?」
ヤクモは《竜巻竜》のカードをトントン、と指で叩く。
指先からは光の粒が弾ける。これも彼の得意とするエフェクト魔法の一種だ。
ただ、デュエルをする際はイカサマが行われないように魔法が禁止されているため、この演出は身内だけの遊びである。
「じゃあ続けるぜ?《竜巻竜》のX素材を1つ取り除き、フィールドの魔法・罠カードを破壊する。オレが選ぶのは《永遠の魂》!」
オーバーレイユニットの光がイラストに吸い込まれるようにして消えた。
細かいところまでこだわった演出を見せていることに、ヤクモは満足そうにしている。
「っ……効果を通す……」
ヤクモが指差したカードをゼトが渋々、といった様子で墓地へ送る。
表側表示だった《永遠の魂》が破壊されることで強力なデメリット効果が発動する。
ゼトのフィールドのモンスターはすべて破壊されてしまい、場はがらんどうだ。
「じゃあバトルフェイズに入るぜ?」
得意げにヤクモが宣言する。一方のゼトの表情は曇ったままだ。
◆◆◆
「やっぱり駄目だったか……」
ヤクモとの勝負を終えたゼトはがっくりと肩を落としていた。
結局、ゼトのライフポイントは全て削り取られてしまったのだ。
「でもあれから巻き返すのは予想外だった。永遠の魂を破壊しても油断はできないな。」
ヤクモはそう言って笑っている。
二人は幼い頃からよくこうして遊んできた。
その戦績も五分五分でお互いの手の内を知り尽くしている仲だ。
だがそれでも飽きずに何度もこうして手合わせをする理由はただ一つ。
それは二人が純粋にデュエルを楽しむことが好きだからだろう。
「ああ、そういえばエクシーズ召喚のエフェクト、どうやったんだ?」
思い出したようにゼトが尋ねる。
以前は召喚時にカードの縁が光る程度のものだったが、今日ヤクモが見せたものはアニメと同じように光の渦が現れ、オーバーレイユニットが回るものだった。
カードの上でのエフェクトはアニメと比べるとごく小規模なものだが、テーブル上で再現するには十分すぎるものだ。
ヤクモはそんなゼトの反応を見てニヤリと笑う。
「どうもなにも、前のやつの応用だよ。スリーブに魔法を編み込んだんだ。さすがにカードに直接細工はできないからな。」
ヤクモがカードを取り出すと、スリーブを取り外す。
例の《竜巻竜》のカードは二重スリーブになっており、インナースリーブには彼の言う通り細工が施されていた。
光の渦が現れる術、オーバーレイユニットを再現するための光の玉と尾を旋回させる術。
小さなカードスリーブには、ヤクモが書いたであろう魔法が刻み込まれている。
「……なるほど。こういうこともできるのか…………」
「ま、今の所形になったのはエクシーズだけなんだけどな。」
ヤクモはエラを撫でながら苦笑いを浮かべた。
彼の言うとおり、今回披露されたのはエクシーズモンスターの演出だけ。彼の口ぶりからすると、他の演出も考えてはいたようだ。
「じゃあ……俺もそのエフェクト考えるの、手伝っていいか?」ふと思いついたようにゼトは言った。
「本当か?ゼトが協力してくれるなら百人力だな!」
ぱあっと明るい笑顔になるヤクモにつられてゼトも頬を緩める。