タイムライン
すべて
男性向け
女性向け
その他一般
ログイン
こそフォロ
タイムライン
フォローリスト
ジャンル
すべて
男性向け
女性向け
その他一般
応援する
検索
新規投稿
投稿更新
お知らせ
応援が来ています!
kashi_wame
6/18 19:00
華風の先1 かきかけ
表示する
BL三国志小説『天の華 地の風』とロマサガ2の2次創作。ギャラクシィ使った孔明がコウメイになります。(でもまだなってない)
はしりがき
6/18 19:03
#狭間の邂逅
気がつくと諸葛亮孔明は暗闇の中佇んでいた。あたりを見回しても闇一色。
身体は、何かに阻まれれいるようで動けない。目をやると、四肢に、黒羅の長袍に、氷の蔦のようなものが絡みついている。
不思議なものだ。辺りに光はないのに身体ははっきりと見える。
それにしても、氷で黒羅の長袍が傷まなければ良いが…。
「お初にお目にかかります。」
なんの前触れもなくその男は現れ、叉手の構えをとった。新緑萌える鮮やかな緑の帽子と外套が、暗闇の中で一層眩しく見える。孔明は少し目を細めた。
「私は…死んだのか。」
確かめたい事は数多ある。だが、何よりもまず孔明は自らの生死を知りたかった。
「左様にございます。」
やはり…。生前と思しき最後は朦朧とした記憶しか無い。五感全てが擦り切れ、認知もままならなかった。なのに、今は視界がはっきりしている。死の淵から生還したとは思えない回復なのである。生還していないなら…とは思っていたが、実際に聞くと、落胆の念もわいてくる。
とはいえ、死んだのであれば仕方がない。
「では、今から地獄の…鉢特摩にでも誘われるところか。」
言葉を紡ぎつつ、氷の蔦に封じられた自らの身体に目を遣る。清廉潔白を演じつつ非道な行為を繰り返しざるを得なかった生涯であった。自らが地獄に堕とされるは自明の理。孔明はそう諦めていた。
だが。
「否。」
緑の帽子の男は小さくかぶりを振る。
「誘いたくございますが、孔明様が意思一つにて変わるもの。また、誘う先は地獄ではなく、次なる世、次なる生にございます。」
「ふむ…。という事は、貴殿は泰山府君の使いの類ではないのか。」
「然り。」
「失礼だが…名は。」
「この狭間の世では名は持ち合わせておりません。心通わせる者もおりませんでした故、名など不要にございました。」
「では、ここ以外で貴殿は何をしているのだ。」
「詩歌を吟じて生業としてございます。」
「詩い人か。」
「左様で。」
不完全ながらに目の前の者の呼び方を得た孔明は次の質問に移る。
「では…詩人殿はこの狭間にて何をー」
「ところで。」
叉手の構えをとったまま、詩人が言葉を挟んできた。
「この構え、いつ頃解くものにございましょうか。」
詩人は構えを解き、どこからともなく出てきた椅子に座った。
曰く。自らは人材勧誘がためにこの狭間の世に足を運んできたのだと。
なんでも、詩人の世界では最近、魂魄の器が広い者が急遽大量に必要になったのだとか。
しかし、その世の自然の理では広い魂魄の器の持ち主は滅多に現れないうえに、器が広い者は総じて個の能力が低く頗る人材不足なのだ、と。
広い魂魄の器が必要なのはひとえにその世の『伝承法』という儀式に原因があるという。
『伝承法』とは、記憶・技術・経験といった一通りの生涯を別の者が引き継ぐ法との事。これを続ける事で、個としては、より強固な存在になれる上、一撃必殺の技を見切る個体として進化も可能なのだ。
しかし、幾度も伝承法を繰り返せば、魂魄の摩耗も激しくなり伝承不全になる。何より、伝承元の魂魄を受け入れられる程度の魂魄の広さが必要なのだ。
さらに、この『伝承法』というもの、今昔より連綿と受け継がれた人類(その世では現代種と言うのだとか)の知恵の賜物ではなく、別の種族より教授された法であるがゆえ、現代種の魂魄の器と肉体バランスが何とも伝承法に不適な状態とのこと。
結果、深刻な人材不足となっている。
以上が、孔明が詩人から聞き出した内容である。
「では、私も勧誘対象か。」
「はい。」
構えを解いて色々話を重ねるうち、言い方も若干砕けた詩人である。続けて説明する。
「本来なら、一個体が死を迎えればやがて魂魄はその世界の循環の大流に還り、記憶も経験も無垢にて新たな生命となります。ですが、それでは個としての経験は、無に帰してしまいます。」
それが故に、人は人と交わり、想いを伝え紡ぐのではないのか。孔明は心に思うが、黙っておく。
今、詩人が言った『本来の流れ』とやらと自分の置かれた状況が違う事は明白だ。となると、次にこの者が口にする事は…。
「ですが、貴方様には、記憶経験そのままに此方が世界の現代人となって頂きたくございます。」
やはりか。孔明は深く、深く…溜息をついた。
生前、孔明は一人の男に心酔し仕えていた。
名を、劉備玄徳という。
孔明が常に羽織っているこの黒羅の長袍も、劉備からの賜り物である。
しかし、哀しきかな。孔明は劉備玄徳ただ一人へ尊敬と思慕の念を募らせた一方で、劉玄徳の心は、あるいは龐統、あるいは法正へと移ろぎ、終いにあろうことか孔明の心の繊細な部分をひたすらに罵倒してしまったのである。
結果、孔明は、ただひたすら敬愛していた劉備玄徳を殺した。
その後立った皇帝・劉禅らの陰謀にて孔明は命を儚くする事となった。
詩人が誰の命で来たかは知らぬ。だが、狭間の世などという奇怪な処までこの者は足を運び、今、孔明を勧誘しているのである。力を集めんとする強力な存在がいることは間違いない。となると、詩人が導く先の世でも、絶対的な君主のもとに仕えることになるのだろう。そしてまた君主に幻滅し、抗えぬ運命のもと、慕ってついてきた友を、恋人を、裏切るのだろう。叶うなら、そういうものとは無縁に生を送り死を迎えたいものだ。
孔明は過ぎ去りし日に気を遣る。あの時の劉備玄徳様ほど純粋で信厚い方になど、もう二度と逢わぬであろう。逢ったとしても、移ろわぬままの者などいるはずがない。
心底断りたい。たとえまた誰かに仕えるとしても、せめて別の存在として記憶も何も違ったまま仕えたいものだ。
だが…。
「その招致、断ったとて詩人殿は連れていくのであろうな。この氷の蔦でもって。」
孔明は諦念の眼差しで腕に絡む氷の蔦を眺める。
「おや。」
詩人は短く、だがしかしはっきりと感嘆の声をあげた。
「お気づきになっていないとは…。それほどまで……。」
しばらく間を置き、詩人は言った。
「その蔦は、貴方様ご自身の術の力でもって作られしものにございます。」
「私が?」
「この度、私が貴方様をそのままお迎えしたいのは、まさにそれが理由なのでございます。覚えてございませぬか。貴方様は生前、術の力を行使し、運命を変えられた事を。」
「いや全く覚えがない。今私を縛めている蔦を出す力が生前より私にあったとしたなら軍略も変わっていた。」
「生前使われたのは水術や地術とは別の系統、天術にございます。」
「ほほう。その『術』というのも系統があるのだな。」
「左様で。」
孔明は逡巡する。『天』や『水』『地』に相当しそうな現象を思い返してみる、しかし、皆目それらしい事が起こった心当たりがない。確かに悪天候や旱魃水害の類は経験した。だがそれは自然の摂理の範囲内のはずだ。今自らに絡み動きを封じているこの蔦は、明らかに摂理の範囲を超えている。
「無理もございません。今も意図せぬまま術を行使なさっている。天賦の才とはかくなるものなのでしょう。」
詩人は更に少し間を置き、説明を始めた。
「孔明様。私が見た天術についてお話します。孔明様が天術を使われたのは、服毒なさった直後にございます。」
「あの時か。しかし、毒は既に深く身体に行き渡り、蝕み、何も出来なかったはずだが…。」
目一杯抵抗したつもりではあるが、既に視界も覚束なく、平衡感覚も失われていた。毒が最も行き渡った口の中など開いているのか閉じているのかわからなかった。おそらく呂律が回らないどころではなかったはず。
「あれは、本来来し方の世では発動し得ぬ術にて、行く先の世では未だ見出せぬ術。そして、緋色の邪神が得意としている技。名を、ギャラクシィと申します。」
「ギャラクシィ…」
なんとも聞きなれない。遥か西の部族が使う言葉のような響きだ。
「緋色の邪神は術力にて天属性へ働きかける必要なき故、詠唱なくギャラクシィを撃てますが、人の身で同じ事を成すには、術力でもって属性へ働きかけるが必須にございます。かの時集いし者どもの耳には訳の分からぬ言葉に聞こえたでございましょうが、あれは術の詠唱。唇が思わざるが故か不完全な様でございましたが、故に貴方様含めその場の幾名かは絶命の難を逃れる事ができたのも確か。」
「術とやらで絶命とは。なかなかに穏やかではない事をしたのだな、私は。」
もっとも、その私自身は既に穏やかでない毒を身体に入れていたのだが…。孔明は心の内にそっと付け足す。
「天幕内に流隕(隕石)を落としてございました。遠く監視していた仲達様も異変に気づかれたご様子。野営地に火の手があがりてんやわんやの様でございました。穏やかさの欠片もございませぬ。」
どうやら、個人への毒などという域を大きく超えた、不穏極まりない事をしでかしていたらしい。
「本来、貴方様はあの毒を飲み干し、ただそのまま絶命へと至るはずにございました。」
そうであろうな。そんなもん当たったら絶命必至だろうよ。説明されてももはや自分事とは思えない孔明は、投げやりに心の中で相槌をうつ。
「魏延様も、貴方様を連れ出す事を諦め、そのまま自らの軍を最小限率い、西へ向かうはずでございました。」
魏延文長。己が征服欲を満たさんがために孔明に近づくも、最期まで孔明のために尽くしたパートナー。毒で手遅れだろう事は分かっていただろうに。絶命の難を逃れた私を持ち出そうとしたばかりに…。
いや。
「だとしても、結局姜維か楊儀あたりに殺されるのだろうな…魏延は。」
「はい。ちなみに貴方様は、『お前も蝋人形にしてやろうか』的なアレにされて仲達様をビビらせるお仕事をなさ…」
「ところで。」
話の矛先を逸らすため、そして自らの不便さを解決するため、話を遮って尋ねる。
「詩人殿が今説明されたギャラクシィと違い、これは持続力も強力なようだが」
と、氷の蔦を見遣る。
「どうすれば良いか、詩人殿はご存じであるか」
自ら創っているとの事だが、意図して使っているものではない。凍傷ができるものではないようだが、身動き取れないのはなんとも不便である。そこで、目の前の詩人である。この者は勧誘に来ているのだ。少々の無理くらいは押し通せる可能性が高い。だめでも無に還るか地獄に落とされるか、いずれにせよ予定通りに戻るだけである。
地獄の苦しみは当然恐ろしいが、受けなければいけない運命なら致し方ない。むしろ今は、下手に出て、このいかがわしい詩人の一方的なまでの思い通りになるのだけは避けるべきだ。
「かくなる術は名を持ち合わせておりません。孔明様が意思のみにて、己が術の力をして水と地の属性に働きかけ、その氷の蔦を発現しているものにございます。」
「私は自縛趣味は持ち合わせていない…はずだが。」
生前の願望が思い出され、言葉の後ろで少しばかり詰まる。
「おそらくは、生前の思い人との縁を繋ぐ御意志によるものにございましょう。孔明様を生前そのままにてここまで誘いし副作用かもしれませぬ。孔明様に近しい方々の記憶が薄らぐ事極めて少なくなるがゆえ、冥府にあるまじき量の憎悪怨念、そして愛情が、孔明様との縁を求めているのでございましょう。孔明様は、その求めに無意識に応じているように見えてございます。」
「つまり、私は早く元通り地獄に戻れという事か。」
「そうはやらずとも。少し意識を蔦の向こうに持てば、自ずと冥府の様子も垣間見えましょう。」
孔明は半信半疑ながらも目を瞑り、氷の先へと意識を向ける。
「己が意思を整えれば、自然とその蔦も消えましょう。」
kashi_wameさんのやる気に変化が起きました!
頑張って
いいね
わかるよ
おめでとう
すべて
頑張って!
応援してる!
待っている!いつまでも!
やっちゃいましょう!
大丈夫......!
そういうときもある!
行ける気がする!
落ち着けっ!
いつもありがとう!
きっとうまくいく!
大丈夫!
どんな道も正解だから
負けないで!
一緒に頑張ろう!
後悔させてやろうよ!
明日はきっとよくなるよ
のんびり行こう!
人は変われる!
なるようになる!
頼む、続きが読みたい!
この本欲しすぎる
これ好き! 好きすぎる!
ありがとう、これで今日も生きていける
発想にすごく引き込まれた
いや、十分すごいよ!
ぐはっ😍
おお〜😲
うるる😭
なるほど
それいいね!
共感する
響くわ〜
マジ天使
天才!
エロい!
神降臨!
素敵
かわいい
きゅんとした
泣ける……
ぞくぞくした
いいね
待っている!いつまでも!
いつもありがとう!
わかる、わかるよ……
苦しいよね
悩むよね
確かにね
その通り!
もちろん!
激しく同意
わかりみがすごい
お前は俺か
そうかもしれない
大変だよね
うん、うん。
そうだね
そう思う
そうかも
それな
うるる😭
大丈夫......!
そういうときもある!
なるほど
共感する
大丈夫!
のんびり行こう!
泣ける……
おめでとう!
やったぜ!
やるじゃん!
エライ!
いや、十分すごいよ!
おお〜😲
うるる😭
いつもありがとう!
神降臨!
頼む、続きが読みたい!
この本欲しすぎる
これ好き! 好きすぎる!
ありがとう、これで今日も生きていける
発想にすごく引き込まれた
頑張って!
応援してる!
待っている!いつまでも!
わかる、わかるよ……
やっちゃいましょう!
おめでとう!
やったぜ!
いや、十分すごいよ!
やるじゃん!
ぐはっ😍
おお〜😲
うるる😭
大丈夫......!
そういうときもある!
なるほど
それいいね!
行ける気がする!
落ち着けっ!
苦しいよね
悩むよね
確かにね
その通り!
もちろん!
激しく同意
わかりみがすごい
共感する
響くわ〜
お前は俺か
そうかもしれない
大変だよね
うん、うん。
そうだね
そう思う
そうかも
いつもありがとう!
きっとうまくいく!
大丈夫!
どんな道も正解だから
負けないで!
一緒に頑張ろう!
後悔させてやろうよ!
明日はきっとよくなるよ
のんびり行こう!
人は変われる!
なるようになる!
マジ天使
天才!
エライ!
エロい!
それな
神降臨!
素敵
かわいい
きゅんとした
泣ける……
ぞくぞくした
いいね