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フォローする seizansou とりあえず色んなお話を書いていきたい。
ひとまずは自分がその時書きたいものを書いていきたい。
その過程で、自分にはどういうお話が書けるのか、自分が書けるお話で世間受けするものはあるのか。
そういうところも見ていきたい。

カクヨム:https://kakuyomu.jp/users/seizansou
pixiv:https://www.pixiv.net/users/60427
なろう:https://mypage.syosetu.com/348603/
twitter:@huruidoakuta
懺悔します。自分の新着投稿をなんとなく隠したくて、色々な人の投稿に応援して自分の新着をなんとなく下に追いやるという行為をしていました。いや、応援する気持ちに嘘はないです。ただ気持ちを溜めておいて、新規投稿と同時にやっていました。140字小説を毎日連投してた負い目からです。
そんなことやっておいて要望なんですが、新規投稿と応援は混ざると私のような行為で新規投稿が見えなくなりますよね、なので分けていただけると見やすくなるかなと思いますという事も言いたかったりします。
大丈夫......!
寂しがってる人間と、寂しがってる怪異が共依存する感じの話を書きたくなってきた。140字小説って、いつも掌編・短編のネタ出しで脳内で捨てまくってるアイディアを供養する方法としてなんかよさげだということに気付いた夜。ここに連ねていってみたい。
集中力がないせいか、全然関係ない話を思いついて思考が散漫になるので、吐き出してスパッと忘れる。とはいえ、なんとなく一覧化したいなと思ったところで、kakeneeでまとめられるのではと思いたってやってみる次第。
『評価が欲しいから』今月毎日投稿達成! したのでもう毎日更新しない! 思いついたら吐き出す! ちょっと負担になってた! でもだからこそ良い訓練になったと思う! 2月よさようなら!!https://twitter.com/huruidoakuta/status/1498249010351513605
自分が書いたとかでは無いです。「解釈論」についてまったくのド素人の自分が共有していいものか迷ったのですが、一応「こういう視点もあるんだなあ」となった記事を共有してみます。こういう使い方していいものなのかな……?https://www.pixivision.net/ja/a/7372なるほどここの皆さんのお話を拝見するかぎり、自分が二次創作が書けないのは「スピンオフ(一方その頃)」的な話とか「エンディングの後」の話みたいなことを書こうとしていたからかも知れない。そんなものは原作者監修でしっかり詰めなきゃできないわけで、そりゃ書けない訳だなとなった。

二次創作はもっと自由で縛られていないものなのかなと感じた。
ちょっと古い表現だと「世界線が違う」「パラレルワールド」「ifの世界」とかそういう感じなんだろうか。

創作物をどう受けとるかは、受取手の数だけ存在するとよく聞く気がする。
それに従うなら、二次創作の世界もそれと同数存在するのだろうかなとか(更にその世界から生み出される二次創作物はそれ以上)。
自分がその創作物で感じたことが、自分にとっての正解で、自分の心の中に広がるその創作物の世界なのかなとか。

だから一部の人達は「解釈違い」っていう事象に敏感になるのかも知れない。
自分の中にある大切な世界を侵略されてしまうような気がして、それを拒絶したり恐怖したり非難したりする、という人達もいるのかなとか。

二次創作をするときは、原作から受けとって自分の中に広がった世界を表現する感じでやればいいのかな。
で、配慮するのは著作権と「解釈違い」を恐怖する人達、といった具合?

それさえしてればあとは表現なんだから自由でいいのかな。

一言で言えば自分は原作原理主義者だったんだろうなあと思った。
うん、うん。
一万……二万……三万……足りない……文字数が稼げない……どこ……!? 私の文字数はどこ!?わかる、わかるよ……なんで誰も読んでくれないとわかりながら書いて公開するのか。多分、人が思わず「すご」「きれい」「こわ」「きも」「かっけー」「わー」「きゃー」「あああ」って口に出す感覚を自身が感じたり、妄想してしまったときに、それを表現せずにはいられないから。それに承認欲求を混ぜ合わせると、書いたものを公開することになるんじゃないかなとか思った。
沢山の人に自分の創作物を届けるんだ、ってことを考えるんであれば、今の流行を取り入れたり、知名度を上げてフォロワーを増やしたり、流行りのものの基本は抑えつつ少しだけ新しい解釈を付け加えて飽きさせないようにしたり、飽きられないように頻繁に更新したり、……たり、……たり、たりたりたり。
一般流通できたらきっとそれは数日寝付けないくらい素晴らしいことなんだろうけれど、じゃあほんとにそうなったとして、今度は発行部数が気になったりするんじゃないだろうか、低評価レビューがつかないだろうか、次作をちゃんと面白い物に仕上げられるんだろうか、……だろうか、……だろうか、ろうかろうかろうか。

覚悟のある奴は残れ。でなければ去れ。
といったところなのかな。

まあ、何を動機に書くかは人それぞれですよね、というぼんやりした事を言っておけば丸く収まると思い込んでる社会を舐めてる人間 is 自分。
肝心の長編(にしたい話)が一向に進まない。細かい展開を考えてるとつい脱線して140字小説のネタ考えててそっちを書いてお手軽満足感を摂取してしまっている気がする。140字小説はそれはそれで続けることでなにかしら学べるものがあるのではないかとやってみているけれど、もしや本来やりたいことに悪影響が出ているのではないかという懸念もある。140字小説にしても、一日最低一つは作って人目に触れるようにするという制約をかけることで、アイディアを絞りきった先で得られるものがあるはずという信仰でやってみている。
何が言いたいんだかまとまらない。
長編考えてるときの思考の脱線を140字小説で発散していたはずが、140字小説に勝手に設けた制約で逆に足枷になってない? という気持ちにふとなった、という感じだろうか。
どっちもやりたくなっちゃってて、どっちつかずでふらふらと迷いがあるなという悩み。愚痴。
そういうときもある!
自身が書いたものを客観視できていない。
無意識に「お話的お約束や記号」を使ってるくせに、急に「いやここはもっとリアリティが必要だ」って拘りだして、読んでくれる人からすると、「なんでここだけリアリティにこだわってるの? リアリティにこだわるならここ(お話的お約束や記号)もリアルにしないと整合とれなくない?」となってしまう。

「自分が書きたいもの書いてるんだ!」っていう動機も一つではあるけれど、他の動機に「自分がイメージする情景を共有したい」って思いがあるので、上記の様な共有の障害になるつっかかりを減らしていきたいと思ってはいるけれど、具体的に何をどうすれば実現できるのかは思いついていない。

漠然と、フィクションとリアリティのバランス感覚を養いたいという気持ちはある。
わかる、わかるよ……
自身の場合、二次創作要素を少しでも含む場合はpixivのみ。
オリジナルであれば、カクヨム、なろう、pixiv、note。たまにアルファポリスにも。
どこかのサイトの応募規定で「他での公表禁止」であればそのサイトのみ。

どうやらサイトごとに受ける要素が違う様子なのだけれど、まだそれを具体的に把握できていないので、制限に反しないように各サイトに投稿しています。(規約確認漏れをしてる可能性もありますが……)

体感、なんとなくpixivはタグ検索で結構見てもらえる印象があります。

まあ、自分が底辺砂粒投稿者なのでそもそも検証できるほどのPVがなくてなんとも言えないのが悲しいところです。
今は箸でも棒でもかかって欲しいと思いながらあちこちに投稿しまくってたり、最近SNSを積極的に利用して見に来てもらう(そもそものPVを増やす)ことができる様にという行動もしてみたりしています。
(逆にSNSにハマってしまいそうになっている気配もあります)

とはいえ、各サイトごとに投稿されている作品を眺めてみると、少し傾向が違ったりするかも知れないです(ジャンルによっても違うので、自身が投稿したいジャンルを見てみる感じがいいかなとか)。

とりとめなく書いてしまいましたがこんなあたりが自分語りです。
人間に対して恐怖しかないので、人を好きになったことがないし、いわゆる初恋なんて奴もしていない。
そんなんだから好いた惚れたの恋愛ものがまったく書けない。
けれど世の中は恋愛を絡めた創作物(歌詞、小説、映画、漫画、アニメ、イラスト、イベント等、枚挙に暇がない)であふれていて、人間はそれを好んでいるようで、それによって経済が回っているようだ。
自分はそういう恋愛経済圏から爪弾きにされたような気分になっていて、もうそれはそれは嫉妬している。
恋愛ものを憎むくらいには嫉妬している。
「え? その話に恋愛要素必要だった?」と心の中でいちいち難癖付ける。
でも多分、一般の感覚からすると、和定食に味噌汁がついてくるぐらいに、恋愛要素は当たり前なんだろうなあとか推測はする。
色んな料理に使われる砂糖のようなものなんだろう、恋愛要素という奴は。
人間を好きになれない自分に対する劣等感をどうしても拭えないせいで、色んな作品に砂糖のように頻繁に用いられる恋愛要素に辟易してしまう。

別に現実で人間が恋愛したり愛し合ったりすることは否定しない。
むしろ良いことだと思う。
それがあることで、人間という種は気分良く子孫を残したり、精神的に安心できる場所を作ることができるのだろうから。
だが、それが娯楽とか経済に関わってこられると、途端に自分も向かい合わなければならない課題へと姿を変えて立ち塞がる。
それへの立ち向かい方に悩み、それを繰り広げる恋愛経済圏に恨みすら抱いてしまう。

とはいえ、世間受けしようとするなら恋愛要素を避け続けるわけにもいかない。
というかそもそも、日常の生活においても、恋愛から逃げ切れるわけもない。
だから頑張って恋愛に関わる心理学の本を勉強しなければならない。
「しなければならない」というモチベーションの勉強は全然はかどらないので、一向に勉強が進まないけれども。
やりたくないけどやらねばならぬ。
兎角恋愛という奴は得体が知れない。

という愚痴。
わかりみがすごい
ちょっとしたですゲームものを書いてみたい
(声劇台本企画への投稿)
今の作業が何も進まない鬱憤を、過去に書き終えてたけどできた報告してなかった奴を投稿することで晴らすという現実逃避。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14462838
二次創作の話がためになったぞ! だが書くネタが固まらないぞ! 悲しいね!!!!上手に世渡りできているようでいて、何かのきっかけでポキッと折れて泣き崩れる感じのヤンデレを書いてみたい。カクヨムの現代ドラマ週間206位になれました😭 一度完全に書くのを諦めたのですが、リアクションを送って下さった皆さんのおかげで完結できました。本当にありがとうございます。https://kakuyomu.jp/rankings/drama/weekly?page=3おめでとう!二次創作もやってみたいけれど、いくら考えてみても、「このキャラはそんなこと言わない」「このキャラはそんなことしない」って自分の中で解釈違い起こしてしまう。精々書けても少しだけ出てくるキーマンとかちょっと匂わせるくらい。二次創作系の方々はその辺の折り合いをどう付けてるんだろう……。なるようになる!同時ツイートについて。kakeneeの認知が広まって欲しいと思って少し前からkakeneeとTwitterに色々投稿したりしてるけれど、同時ツイートした際に、pixivとかカクヨムみたいな画像(?)的な奴が表示されたら良いなと思ったり。今はURLが表示されるだけなので、知らない人から見たら「フィッシングか?」とか思われてるのかなとか。今のところ同時ツイートのTwitterアナリティクス見る限り、kakeneeのリンク踏んでくれてる数が1ツイートあたり1件なので……(多分同じ人が開いてくれてる模様)。なんで文字にするかといったら、自分の中のイメージを形にしたいから。
なんで公開するかといったら、そのイメージを誰でも良いから共有したいから。
あくまで自分の場合だけれども。
わかる、わかるよ……
個人的に音楽が大好きで、音楽で感じたイメージが話のネタになることが多い。
それとは別に、こういう魂が奮い立つ曲を聴くと、「書くしかねえ」ってなる。心に火がつく。
https://youtu.be/9Ul1fGwiFd0
この曲の印象的な部分を引用しようとすると、それは歌詞カード丸写しになってしまう。
ただ、特に挙げるなら、「テレビ、ラジオでこの曲が流れるより、貴方の口からこの曲が流れたとき、世界を変えたと胸を張れる」。
薄い大衆受けより、誰かの人生に届きたい。そう強く思う。

音楽には音楽でしか表現できない領分がある。
絵には絵でしか表現できない領分がある。
文章には文章でしか表現できない領分がある。

理性には理性でしか解釈できない領分がある。
感情には感情でしか扱えない領分がある。
体験には体験でしか感じられない領分がある。

文章という領分の端から端まで使って、理性、体験を横断して、自分の感じたことを伝えたい。
言葉の美しさよりも、伝わる言葉で、自分の中にある感動を共有したい。

でもそれはうまくいかない。

現実として、一次創作はそう簡単には見てもらえない。
見てもらえたとして、読み切ってもらえるほどの面白さを提供出来ていない。
読み切ってもらえたとして、感動が伝えられるほどの構成になっていない。

頑張れば自分はもう少し良いものが出来るはずだ。
時間をかければ自分はもう少し良いものが出来るはずだ。
そんな思いがいつもある。
けれどそんなことをしていたらいつまで経っても何も出来上がらない。
だから今の自分の実力を受け入れて、書き上げて、公表して、落ちこんで、また新しいお話作りに手を着ける。

日常の仕事だって人の役には立ってるんだろう。
だけれどそういうことでは無くて、役に立つかよりも、ただただ、この感動、この思い、このイメージを伝えたい。

そんなことを考えたりしながら、仕事終わりに今日も自分の不出来なお話をみて、道の長さに息を吐く。
もはやこの思いは呪いのようなものに感じられる。
でもそうやって這いつくばって吐き出した文章に、一人二人がリアクションをくれると、それだけでもう少し這いつくばろうと思ってしまう。
結局それが嬉しいから、そうしてしまうんだと思う。
「嬉しい」だけでは人間生きていけないんだろうから、納得いかないまま吐き出す苦しみも必要なんだろう。
わかりみがすごい
マッチ売りの少女の世界観に○○が転生したら。
任侠を信条にしてる極道とかが転生した話にしたらどうなるのか気になる。
大晦日。その地方では珍しく雪が降っていた。

「兄貴! 田島の野郎を呼んでます! どうか気をたしかに!」

 兄貴と呼ばれた男は倒れ伏していた。彼から流れ出る温かい血が、積もる雪を溶かして赤いシャーベットのようになっている。

「は、は。田島の、ヤブ医者か。あの爺さんは足が悪い。どうせ、間に、あわねえだろう」

 途切れ途切れの、弱々しい声が男の口から漏れる。

「死なねえでくれ、兄貴! 兄貴にはまだ生きてもらわなくちゃならねえっ!」

 そう言いながら、自分の服を破って包帯状にし、倒れ伏した男の出血を止めるために巻き付ける。

「はは、は、よせ、よせ。雪が降るようなさみい夜だ、服ぬいだら風邪引いちまうだろうがよ」

 止めどなく血を流す男の口の端が僅かに上がる。

「笑えねえですよ兄貴! これからじゃねえですか! これから俺達で、組を変えていくってところだったじゃねえですか!」
「なあ、サブよ。おれにゃあ、学がねえ。精々が先代のオヤジにたたき込まれた半端な任侠ぐれえだ。もっと学がありゃあ、こんなことにはならなかったんだろうがな、情けねぇ」
「まだだ、兄貴! まだ終わりじゃねぇですよ!」
「は、は。任侠だけで、渡りきれるような世の中じゃねえってことかね……」

 そう言って、男の目から光が消える。彼に包帯を巻いていた男は、その体が急にずっしりと重くなってしまったことに気づく。

「あ、兄貴……山田の兄貴……ぃぃぃ……」

 うつむき、絞り出すように出した声の先には、任侠に生き、任侠に死んだ男、山田の死体が横たわっていた。


  ■


 その年の最後の日。その地方では雪は珍しいものではなかった。
 いつものように雪が降り積もる。
 路地にはまばらに人が行き交い、時折馬車が通りすぎる。
 そんな路地の雪の上に、裸足で立つ少女がいた。

「マッチ、マッチを買って」

 その少女を一言で表すなら、くすんでいた、と言えるだろう。
 色素の薄い髪も、汚れのせいで、よく見なければ金髪だとはわからない。服もぼろぼろで、あちこちがほつれている。顔はすすを塗りたくったように黒ずんでいた。
 そんな少女が、大事そうにエプロンでマッチを包み、一束を手にもって通りすぎる人に、必死に食い下がるようにマッチの束を向けながら、「マッチを買って」と機械のようにひたすらくりかえしている。
 ひたすらにマッチの束を向けて「マッチを買って」と言っていたが、後から歩いてきた大人にぶつかって、エプロンで包んでいた大切なマッチが雪の上に散らばってしまった。
 濡れてしまったら火がつかなくなる。
 少女は地面に這いつくばり、急いでマッチをかき集める。
 すると、地面に向けられていた視界の端の方から、無骨な手が二本伸びてきた。その両手はマッチをかき集めて拾い、少女に差し出してきた。
 少女が顔を上げると、スーツ姿の男がいた。行儀悪そうに腰をおろし、少女に向かってマッチを差し出している。

「ひっ」

 少女は小さく悲鳴を上げた。その男の人相があまりにも凶悪だったから。

「おい嬢ちゃん、おめえ、何やってんだ」

 男は、少女がおびえていることは特に気にした様子もなく、少女に問いかけた。

「マ、マッチを、売っているの」
「マッチ……ってこたあ、これぁ売りもんか。しかし今時バラで売るとはねえ。おう、箱ねえのか、箱」
「箱……?」
「箱っつったら、マッチ箱だろうよ。わかんねえかな、ほら、マッチが入ってて、横っ腹でシュッとやるやつだ」

 少女は未だにおびえを引きずっており、男の説明に正しく答えなければと強く思うものの、男の言うものに全く見当がつかなかった。
 そんな少女の困惑を読みとったのか、男が言った。

「そうか、知らねえのか」

 そう言うと男はスーツのポケットからハンカチをとりだし、手にもっていたマッチをくるんだ。

「売りもんなんだろ、他のもこれに包め。はやくしねえと雪でしけちまうぞ」

 男が伸ばした手を、少女はしばらく見つめていた。果たして自分が受けとってしまってもいいものなのだろうか、受けとることで何か悪いことになってしまうのではないかと迷っていた。
 唐突に、男の手が少女の頭上に伸びる。
 少女は反射的に、なぐられるのだと思い、強く目をつむった。
 男の手は少女の頭上に伸び、マッチをくるんだハンカチをぽんと載せた。

「ちぃとまっとけ」

 そう言いながら男は地面に散らばったマッチを拾っていく。
 少女がぽかんとしている間に、男は素早くマッチを拾いきってしまった。

「最近じゃあやらなくなったが、昔は雑用も仕事だったからな」

 男は少女の頭に載せていたハンカチをとると、拾い集めた残りのマッチも同様にくるんだ。
 マッチがすべてくるまれたハンカチを差し出しながら、男が名乗った。

「俺ぁ山田っつうんだ。お前、名前は?」

 少女はなんとなく、この人は大丈夫なんじゃないだろうか、そう思い、差し出されたハンカチに手を伸ばしながら返答した。

「アネ」
「そうか、アネっつうのか。なあ、アネよ、ここはどこだ? 地獄か? どうせ地獄なんだろうが、地獄にも種類があんだろ?」

 少女は男が口にした内容の意図がわからず、少し逡巡した。しかしとりあえず聞かれたことを答えることにした。

「ここは六番通りよ……オーデンセの」
「おでんせ? そんな地獄もあるんだな。しかしとんと迎えが来やしねえ。地獄の案内もなっちゃいねえ」

 そう言いながら山田は立ち上がった。つられるように少女も立ち上がる。マッチをくるんだハンカチを大事そうに両手で胸元にかかえて。

「地獄じゃない、オーデンセ」

 アネが弱々しく否定した。山田は「そうか」と辺りを見回した。

「……おう、アネ、靴はどうした」

 山田の視線が止まった先には、アネの裸足があった。雪の上に長時間いたせいなのか、紫色に変色しかけている。
 問われたアネは急におろおろしだし、泣きそうになりながら答える。

「これは、お母さんの靴が、お母さんので、大きくって、ぶかぶかで、馬車にひかれそうになって、いっこは男の子に持って行かれちゃって、もういっこは、もういっこは……」

 要領を得ない説明がアネの口からこぼれる。
 山田はそれをじっと眺めていた。
 そしておもむろにしゃがみ込むと、アネに背中を向けた。

「つかまれ」
「え?」
「おぶってやる。つかまれ」

 恐る恐るといった風に、アネが山田の背におぶさる。
 山田はアネを背負うと立ち上がり、一言「軽いな」と呟いた。

「おうアネよ、おめえがそのマッチを売るっつうのは罰とかじゃねえのか? 地獄の」

 背負われたまま、アネは首を振る。

「地獄じゃない、オーデンセ。罰……神様の罰なのかな。わたし、わるいこだって」

 山田の背中から聞こえる声に涙声がまじりはじめる。

「おうおう、悪かった悪かった、ほら、泣くな、泣くな。アネは悪いこたぁしてねえだろうよ。だってえのに罰だ罰だとのたまってた俺がわりいんだ。ほら、落ち着け、な」
「うん……」
「おうおう、出来たガキじゃあねぇか。忍耐ってやつぁ、ジジイになってもできねえやつぁできねえ。それがアネぐらいの歳でできてるっつうのは偉いことだ」

 アネは褒められたのが嬉しかったのか、山田の背中に顔を押しつけた。

「アネよ、そのマッチ、どこで仕入れた?」

 アネは無意識になのか、山田にしがみつく力を強くした。

「……おとうさん」
「親父さんは今何やってんだ」
「家にいる」
「家で何してる」
「わかんない」

 軽いアネを背負ったまま、山田が仁王立ちしている。

「……最後に」

 ただでさえ威圧感のある声が、さらに一段低くなって、山田の口から発せられる。

「最後に殴られたのは、いつだ。そのあざが出来たのは、いつだ」

 山田の背に、アネがびくりと震えたのが感じられた。

「辛いなら、無理して言うこたあねえ。これは、俺のわがままだ」
「……今日。……家を、出る、とき」
「なあ、アネよ。おめえの家まで、案内してもらえるか」

 アネはしばらく迷うように、何も答えなかった。
 しばらくして、弱々しく、道を指さした。

「何が正解なのかはわからねえ、俺は、俺が出来ることしか出来ねえ」

 その言葉は、アネに向けられたものだったのか、それとも自分に向けた言葉だったのか。


  ■


「マッチをぜんぶ売らないと、おとうさんは家に入れてくれないから」

 だから行っても意味が無い。
 道中、山田は何度もアネから言われた。それに対して山田はただ、「そうか」とだけ返していた。
 しばらく歩くと、アネが指さすものが変わった。今までは道を指していたが、今は家を指している。

「ここか?」

 山田の背中でアネがうなずくのが感じられた。

「すまん、足が冷てえだろうが、ちょいと降りててくれねえか」

 そう言って山田はしゃがみ、アネを降ろした。
 家をはげしく叩く音が周囲に響いた。

「旦那ぁ! 旦那ぁ! いるんだろ!? 旦那ぁ!」

 山田ははげしくドアを叩きながらそう呼びかける。

「だ、誰だ!?」

 家の中から、焦ったような男の声が聞こえてくる。

「マッチですよ旦那ぁ! マッチの件で俺が寄越されたんだ!」
「そ、それならまだ良いって、待ってくれるって言っていたじゃないか!」
「なあに、悪い話じゃない、あんまりご近所さんに聞かせる話でもねえ、ちょいと中に入れてくれねえか、なあ旦那ぁ! ほら、早くしねえとうまい話も逃げてっちまうよ」
「わ、わかった、あける、あけるからちょっと待っててくれ」

 家の中からドタドタと扉に走り寄ってくる音が聞こえてくる。
 開け放たれたドアからみすぼらしい服に身を包んだ、年は若そうだが老け込んだような男、アネの父親が顔を出した。
 山田はすかさずドアに自分の足を挟み込んだ。

「いえね、旦那が娘さんに売らせてるマッチで、お話があるんでさあ」

 ドアのすき間から山田の凶相がのぞき込む。

「だ、誰だあんた!?」
「通りすがりの小悪党だよ」

 そんな山田の発言を聞いた父親は、急いで家の中に駆け込もうとする。
 しかし山田は背を向けた父親の襟首を素早くつかむ。急に首元をおさえられた勢いで、父親は盛大に尻餅をついた。

「焦っちゃいけねえよ、旦那。少し、話をしようじゃねえか、なあ」

 山田は尻餅をついた父親の前まで悠然と歩を進めた。

「ほら、殴ってみろよ」

 そう言いながら山田は父親の前にしゃがみ込む。

「は?」

「殴ってみろっつってんだよ、俺をよ」

「は、はあ?」

 父親が訳がわからないといった様子でいる。

「なんだ、殴れねぇってのか?」
「いや、そんな、急に、他人に」
「てめえの娘にゃあ手ぇあげられて! 他人にゃあ手を出す根性もねぇのか! このクズがぁ!」

 アネはドアの影から中をのぞいていた。アネが手をかけていたドアが、山田の怒声で振動した。
 あまりの剣幕でどなられたため、父親は「ひっ」と小さく声をあげて不器用に後ずさろうとしていた。

「その様子じゃあ、似たような商売してる、ってわけでもねえみてえだな。ついてこい、てめえもマッチ売るぞ」
「な、なんで俺がそんなこと……」
「てめえにできねぇこと娘にやらせてんのか?」
 山田の低い声が部屋に響く。
「わか、わかった、いく、いくよ……」
おお〜😲
自分で書けてない癖に人様に創作術の本を紹介してみます。ワンクッションそれいいね!